ミュンヘンの裁判所は、Google傘下のMotorola Mobilityがソフトウェアキーボードに関するMicrosoftの特許を侵害しているとの判断を示した。
Microsoftは、EU特許番号EP1040406の特許を侵害しているMotorola製デバイスに対する販売差し止め命令を執行できることになった。この特許は、「ソフト入力のパネルシステム及び方法」と説明されている。
Motorolaは、OSである「Android」を修正して特許を侵害している技術をデバイスから取り除くか、ドイツでこの技術を使用するためのライセンス料をMicrosoftに支払わなくてはならなくなる。Microsoftが差し止め命令を執行すれば、該当するデバイスは店頭から撤去される。
Microsoftの副ゼネラルカウンセルであるDavid Howard氏は、米ZDNetにメールで声明を寄せ、その中で次のように述べている。
今回の判断が、MotorolaがMicrosoftの知的所有権を広範に侵害していることをすでに認めたドイツにおけるこれまでの判断を踏まえたものであることに満足している。ドイツ国内のMotorola製品に対する差し止め命令の執行を継続し、Motorolaが他のAndroid端末メーカーと同じく、Microsoftが特許を取得した発明品に対するライセンスを取得することを願う。
Microsoftは、今回のソフトウェアキーボードに関する判断により、特許侵害訴訟で4連勝したことになる。
最も直近の勝利として、Microsoftは米国際貿易委員会(ITC)に提訴してMotorolaがMicrosoftの「ActiveSync」技術に関する特許を侵害したと認定されている。米国時間7月18日に発効した差し止め命令により、Motorolaは特許を侵害している製品を米国に輸入できない。
ミュンヘンの裁判所は現地時間5月24日に、MotorolaがSMSメッセージングに関するMicrosoftの特許を侵害したとの判断を下し、Microsoftは、当該製品のドイツでの販売中止を求める差し止め命令を執行した。
Microsoftは7月にも、Motorolaのスマートフォン用ハードウェアがファイルアロケーションテーブル(FAT)関連の特許を侵害したとの判断を勝ち取り、さらに多くのMotorola製デバイスが店頭から撤去されることになった。このFAT関連の特許は、長いファイル名と短いファイル名のインデックス化が対象となっている。
Microsoftはドイツでの特許について、計7500万ユーロ(9710万ドル)の保証金を支払う必要がある。また、デバイスの回収を執行するためにはさらに1000万ユーロ(1290万ドル)を支払わなくてはならない、とFOSS Patentsの執筆者Florian Mueller氏は述べている。
Googleは20日、ミュンヘンの裁判所から上訴もできると告げられたが、同社はおそらく上訴するだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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