三三とネットマイルは3月14日、企業間取引(BtoB)企業に勤務する法人営業職600人を対象に実施した「営業業務におけるIT利用に関する調査」の結果を発表した。
調査によれば、BtoB企業に勤務する人の10%前後が、Facebookを個人的に営業活動へ活用していることがわかった。個人的に利用しているツールの中では、スケジュール管理に使われるカレンダーアプリの約14%に次いで高い結果となり、ITサービスの中では積極的に活用されていると分析している。
年代別にみると、20~30代での利用が約26%と高く、40代以上では10%を下回るなど、SNSのビジネス活用に対する若手営業職の柔軟な姿勢が読み取れるとしている。役職別では11.5%前後であったのに対し、営業関連ツールの決裁権別では、決裁権を持つ人が15.3%、決裁権を持たない人が7.7%という結果となった。
Facebookの利用者69人に対し、活用方法を複数回答で聞いたところ、「“いいね!”やコメントで仕事相手との距離を縮める」「相手の略歴/趣味など、詳細な情報を知る」など、プロフィールや状況の確認という活用法が多かった。
Facebookを利用するメリットは、「会う前から気軽に交流でき、アポイントメントにつながった」が29%、「会う前から気軽に交流でき、商談が盛り上がった」が27.5%など、利用者のうち約40%が訪問や会話に繋がるような効果を実感していたことが明らかになっている。
一方で「継続的にコミュニケーションを取ることができ、関係が深まった」が13%、「お問い合わせを受けた」が7.2%など、顧客との関係深化の効果については実感できている人が少ない。そのデメリットとして「プライベートな情報を載せられなくなった」が37.7%、「プライベートな情報が仕事相手に知られてしまった」が20.3%、「仕事相手からのフレンド申請が断り辛くなった」が13%など、プライベートと仕事の区別が付けられなくなるという実名SNSならではの悩みをあげる人も多かった。
Facebookを利用していない人に、もし利用するとどんなメリット/デメリットがありそうか、と複数回答で聞いているが、利用者の調査結果とほぼ同じ結果となった。組織としてのITシステムの利用については、ITを利用して効率化したい業務として「既存顧客の定期的なフォロー」が30.7%、「営業活動・進捗状況の共有」が27.2%といった顧客管理に関する業務が多く挙げられた。
顧客管理や案件進捗管理などの営業支援ツールのメリットとデメリットを複数回答で聞いたところ、「案件状況を把握しやすくなった」が48.3%、「営業の動きが見える化した」が40.8%など、営業プロセスの可視化という点で有用性を認めている。その一方で「最初の顧客情報の入力に手間がかかる」が23.2%、「更新情報の入力に手間がかかる」が21.5%など、情報入力の課題が多いことがわかった。
名刺管理については67.2%の人が課題感を抱えており、特に「かさばって整理しきれない」「必要な時に名刺が見つけられない」、顧客情報をデータ化するための「最初の顧客情報の入力に手間がかかる」という、紙での取り扱いに特有の悩みが多くみられた。外出時の顧客情報管理方法は「名刺を持ち歩く」が29.5%、「手帳に書き込む」が26.8%、「携帯端末に登録する」は6割を超える結果となった。
総じて営業活動でITを活用して業務効率化を図ろうとする意識は高まっているものの、顧客情報の管理に関しては、名刺そのものを持ち歩く、手動で携帯端末に名刺の情報を打ち込むなど、個人情報流出のリスクが潜むアナログな方法のままであることが明らかになっている。
調査は2月17~20日に全国の20歳以上の法人営業職(正社員)の男女を対象としてインターネットリサーチで実施。有効回答数は600人、内訳は営業関連ツール導入の決裁権を持っている営業責任者が300人、決裁権を持っていない営業担当者300人となっている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス