Universal Music Group(UMG)はCitigroupに19億ドルを支払い、EMIのレコード音楽事業を買収した。英国のレコード会社EMIはかつて大きな力を誇り、Coldplay、Katy Perry、そして、The Beatlesの作品を扱っている。
同時にソニーは、EMIの音楽出版事業を22億ドルで買収した。The Wall Street Journalが米国時間11月11日朝に報じた。
EMIは過去数年間にわたり業績が低迷しており、2011年に入ってからは同社が抱える40億ドルの負債を引き受ける代わりにCitigroupが所有権を引き継いでいた。
まだ発表の直後であり、今回の買収がデジタル業界に与える影響を予測するにしても不明瞭な部分が多い。さらに、最も重要なこととして、今回の買収が米国や欧州の規制当局に認められるかという疑問もある。各国政府は、UMGまたはソニーに買収の断念を求めるだろうか?今回の買収によりトップレーベルとして最小規模になってしまうWarner Music Groupは競争に与える影響に関して異議を唱えるだろうか?
だが、今回の買収が認められた場合、EMIの分割により、より少ない人たちが世界のポピュラーミュージックをコントロールするようになる。販売される楽曲のうちUMG、ソニー、Warner、EMIの楽曲が占める割合は、合計で80%以上となっている。
テクノロジ新興企業にとっては、今回の買収のおかげで、人気の楽曲を商売の材料にする場合の交渉先が少なくなる。Groovesharkのような企業にとっては、論争の的となっている同社音楽サービスと提携した大手レーベルの1つが、同社を著作権侵害で提訴したUMGにより買収されたことを意味する。
EMIは、英国の非公開投資会社Terra Firmaと同社最高経営責任者(CEO)Guy Hands氏の管理下にあった時期に業績が低迷した。Terra FirmaはEMIの負債を解消できず、Hand氏が行ったコスト削減策は、所属する大物ミュージシャンから非常な不評を買った。RadioheadやThe Rolling Stonesは、Hand氏時代に同レーベルを離れている。
2011年に入ってCitibankがEMIを引き継いだ後、CEOのRoger Faxon氏はデジタル推進派へと転身しつつあった。同氏はAppleとThe Beatlesとの交渉を支援し、その結果、同バンドの楽曲はiTunesで提供されるようになった。The Beatlesは長年にわたり、自らの楽曲をオンラインで提供していなかった。Faxon氏は、Spotifyのようなクラウド音楽サービスにも協力的であった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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