eBayジャパンと郵便事業(日本郵便)は11月8日、国際電子商取引市場の拡大に向けて協力することで合意したと発表した。日本からの海外配送サービスをより使いやすいものにしていく。
具体的には(1)eBayサイト上でのオンラインシッピングサービス、(2)国際郵便サービスの開発、(3)共同でのセミナー開催――という3点がポイントとなる。(1)のオンラインシッピングサービスは、海外発送作業が簡便になると同時に、商品の受注から発送までを一元管理できるようになる。
日本国内に住む出品者は、海外の購入者に商品を発送する時に、eBayサイト上の受発注情報をもとに、国際スピード郵便(EMS)や国際書留郵便物のラベルが自動的に作成される。出品者はラベルを印刷して商品に貼り付けて郵便局に持っていくことで海外に発送でき、発送後も商品がどこにあるのかを追跡可能だ。また、eBayと日本郵便のサイトをAPIで連携させるという。
(2)は、オンラインシッピングサービスを利用して、現在よりも安価な料金の国際郵便サービスを開発していくというもの。現在、日本から米国までの配送料金は1200円程度だが、それよりも安価なものを提供することを目指す。(3)は、通販やオークションなど国際電子商取引市場を拡大するためにセミナーを共同で開催する。eBayに商品を出品した個人や企業を対象に、eBayのアカウントの登録方法など基本的な事柄から、国際郵便発送時の注意事項なども説明する。2011年はすでに4回の開催実績があるという。
日本郵便執行役員国際事業本部長の大部修司氏は、日本から海外に発送する際には「やり方が分からない、配送料が高い、関税関連の書類を作るなどの手間がかかる」という課題があったと説明する。今回の協力は、そうした課題を解決することで、日本郵便の国際事業を拡大させることを狙う。現在日本郵便が扱う、海外とやり取りされる通販の件数は年間350万通。「年間10%の成長」を示しているが、今回の協力で「20%まで成長させていきたい」と意気込みを見せている。具体的なサービスの開始時期は「2012年後半にならないだろう」と明言しなかった。
eBayのアジア太平洋地域のマーケティングを統括するシニアディレクターのKang Shin Bong氏は、今回と同様の郵政当局との提携はほかの国でも展開していると説明。eBayのアジア事業にとって日本は「中国、香港に続く3位の市場」であるとし、今回の協力で日本の「潜在的需要を顕在化させる」ことを狙う。協力の相手として日本郵便を選んだ理由について「既存ユーザーが日本郵便を使っていることと日本国内でのネットワークの大きさ」を挙げている。
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