KDDIは10月24日、2012年3月期上期(4月~9月期)の連結決算を発表した。営業収益(売上高)は前年同期比1.4%増の1兆7432億8700万円、営業利益は同7.6%増の2667億4600万円、経常利益は同7.8%増の2524億500万円、純利益は同2.3%増の1401億3800万円となった。
移動通信事業におけるシンプルコース浸透にともない音声ARPU(1契約あたりの月間平均収入)が減少したものの、端末販売収入や固定通信事業におけるグループ会社の収益拡大などにより増収となった。
また、固定通信事業におけるネットワークスリム化施策などにより営業費用が減少したことから増益となった。同期は投資有価証券売却益を特別利益に計上した一方で、東日本大震災による特別損失を計上している。
3月期上期のスマートフォン販売台数は191万台で、auの端末販売台数の約29%となった。このうち夏モデルとして6台のスマートフォンを投入した第2四半期(7月~9月期)の販売台数は125万台となり、上期の販売数の約3分の2を占める。
KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は「+WiMAXのEVO(HTC EVO WiMAX)、デザインのINFOBAR(A01)、Windows Phone(IS12T)など、多種多様なラインアップを揃えたことがこういった結果になったのかなと見ている」と分析。期初に400万台と設定していたスマートフォン販売台数について、「期末には500万台を確実に超えると予想している」と自信を見せる。
上期の取り組みについては、MNPが期初の想定より約6カ月前倒して9月に純増に転換したことや、夏モデルを機にスマートフォンの販売が加速したことで、「auのモメンタムが急速に回復している」と評価。FTTHが増収したことで、固定通信事業も順調に進捗していると話す。
また下期については、移動通信事業において引き続きauモメンタムの完全回復を目指すと話し、そのための要素として「MNPの下期転入超」「純増シェアの拡大」「データARPUの向上」の3点を挙げる。固定通信事業についてもFTTHの純増数拡大による増収増益の確立を目指すとした。
「今後、新しい時代を切り開いていく上でも、下期は我々の顧客基盤をより強固にしなければならない。スマートフォンシフトの強化をはじめ(下期の)取り組みについてはしっかり実行していきたい」(田中氏)
KDDIが10月14日に「iPhone 4S」を発売してから約10日が経過した。田中氏はiPhone 4Sの発売以降は新規契約率が3割弱になったことを明かし、「ちょっと期待以上。予想よりも結構こうなんだという驚きがあった」と喜びを語る。
また、当初は1200店舗程だったiPhone 4Sの取り扱い店舗を、10月28日からすべてのauショップ(全2615店舗)に拡大することから、「販売チャネルの増加も含めてどのように影響があるのかもう少し見てみたい」と語り、今後の販売数拡大にも期待を寄せた。
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