億万長者、かつ、問題解決の高い人として有名なSteve Jobs氏は、同氏の患った癌に詳しい医療専門家によると、この病気と「見事に」闘ったという。
癌と本格的な闘いを展開するリソースを備えた人間がいるとしたら、それはAppleの共同創業者であるJobs氏その人だった。それでもなお、同氏は米国時間10月5日、闘いに敗れ56歳でこの世を去った。
家族は死因を公表していないが、Jobs氏が近年発表した自身の健康状態に関する情報から、何が起きているのかは医療専門家の間でずっと推測されていた。
Jobs氏は膵臓(すいぞう)の神経内分泌腫瘍、つまり島(とう)細胞の癌を2004年から患っていたことを認めた。それは侵攻性が低く珍しい種類の膵臓癌だった。それから何年も、Jobs氏は肝臓の移植を含む積極的な治療を次々に受けた。オハイオ州立大学総合癌センター胃腸癌部門の責任者Tanios Bekaii-Saab氏によると、島細胞の癌患者への移植は治療にプラスになることが証明されておらず、議論があるという。
Bekaii-Saab氏は米CNETに対し、肝臓移植は非常に重大な手術で、患者の人生を変えてしまうことが多いと説明した。
「大事な臓器に関わる大手術だ」とBekaii-Saab氏は言う。「Jobs氏が床を離れて、あのように活動しているのを見て驚いた。とても大きな手術で、たくさんの薬物療法と数々の処置を進める必要があるので、舞台に立って天才ぶりを発揮するのを見ると信じられない思いだった。こうした手術はいつも見ているが、精神的にも肉体的にも患者に大きな影響を及ぼす。Jobs氏が動けるようになったのを見て驚いた。見事だった」
Bekaii-Saab氏はJobs氏を治療したわけではないので、何が起きたか確実に言うのは難しい。同氏によると、仮に癌が広がっていなかったのだとすれば、新しい肝臓が機能しなくなったか、拒否反応を抑えるために使っていたはずの薬による合併症があったか、あるいはこれらの要因が組み合わさった可能性もあるという。
「複数の要因が作用したとわたしは推測している」と、Bekaii-Saab氏は語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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