Facebookは論争を呼んでいる2つの慣習をめぐって、以前よりも激しい批判にさらされている。その慣習とは、ログアウト後のユーザーの追跡と、自動的に実行される新しい「摩擦のない共有」だ。
ユーザーのコンピュータ上のクッキーを利用して行われる追跡は議員からの批判を招き、訴訟にまで発展している。その一方で、アイルランドのプライバシー団体と規制当局は、ユーザーの意図に関係なくユーザーの活動を自動的にニュースフィードへ投稿する新しい共有機能に懸念を抱いている。
あるブロガーは先々週末、ログアウトした後も自分のウェブサーフィンがFacebookによって追跡されていることに気づいた、と書いている。Facebookは、ユーザーがログアウトした後も留まり続けるクッキーファイルをユーザーのコンピュータに保存することで、コンテンツをパーソナライズしていると認めた。しかし同社は先週、米CNETに対して、ログアウト後のクッキーから個人特定が可能なデータを削除するために迅速に行動したと述べた。また、追跡目的でそのクッキーデータを保存したり、利用したりはしていないという。
カリフォルニア州サンノゼの米連邦裁判所に提出された訴状によると、「Facebookがこのことを認めたのは、オーストラリアのあるテクノロジブロガーがログアウト後のメンバーを監視するFacebookの慣習を暴いた後のことだった。ただし、同ブロガーは1年前にこの問題をFacebookに通知していた」という。Bloombergは米国時間9月30日にこのことを報じている。
訴訟を提起したのはイリノイ州のPerrin Aikens Davis氏で、集団訴訟の扱いを求めている。同報道によると、同訴訟は金額不明の損害賠償金の支払いを求めており、裁判所に対して、盗聴とコンピュータ詐欺、および悪用に関する連邦法に違反している疑いがあることを理由に追跡をブロックするよう求めているという。
Facebookの広報担当であるAndrew Noyes氏は米CNETに対し、電子メールで送信された声明の中で、「われわれは、この訴訟には根拠がないと考えており、徹底抗戦するつもりだ」と述べた。
さらにReutersの報道によると、アイルランドのデータ保護当局は欧州および米国のプライバシー団体からの苦情を受けて、Facebookのプライバシー関連活動を調査する計画だという。
先週はFacebookにとって多難な1週間となった。29日には、複数の権利擁護団体が米連邦取引委員会(FTC)に対して、Facebookの「摩擦のない共有」と2週間前のF8で発表された新しい「Timeline」機能を禁止するよう求めた。28日には、2人の米連邦議会議員がFTCに対し、ログアウト後のクッキーに関してFacebookを調査するよう求めている。シカゴのある企業はTimeline機能が商標を侵害しているとして、Facebookを提訴した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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