UPDATE Foxconnの成都工場で現地時間5月20日に爆発事故があり、2人が死亡し、10人以上が負傷した。その2週間前には香港を拠点とする団体Students and Scholars Against Corporate Misbehaviour(SACOM)がレポートを発表し、「3つの工場のうち、成都の工場は職場の健全性および安全性の面において警戒を要する」と警告していたことが明らかになった。
SACOMの研究者らは、成都にあるFoxconnの「iPad」製造工場と、重慶と深センにあるFoxconnの広大な施設を訪問した。重慶の工場は比較的小規模で、Hewlett-Packard(HP)の製品を主に製造し、深センの工場では50万人の従業員がApple、HP、Nokia、Dellなどの企業向けにさまざまなコンピュータ、携帯電話などの製品を組み立てている。研究者らは、特に成都の施設でいくつかの問題が見受けられたとして、以下のように記している。
従業員は、化学薬品の使用に関する十分な訓練を受けておらず、就業後の定期的な健康診断も受けていない。インタビューした従業員の中には、アレルギー症状を訴える者も複数いたが、管理部門は従業員の健康に対する悪影響について調査していない。従業員らは、換気が悪いことと、個人用保護具が十分でないことも指摘していた。
SACOMは、換気の悪さが、従業員らの呼吸器系疾患を引き起こす要因になり得ると指摘しているが、それが、20日の爆発を引き起こした要因の1つでもあったようだ。20日の爆発の中心は、Foxconnの施設の「研磨作業」エリアであったと報じられている。
地元メディアは、爆発とそれに起因する火災の原因は、おそらく空調設備または落雷からの火花によって、マグネシウム粉末が偶発的に発火したことであると報じている。それが事実であるとすれば、SACOMのレポートに記されている次の内容と条件が一致する。
研磨エリアの従業員は、作業エリアにアルミニウム粉末が充満しているとも訴えていた。手袋をはめていても、両手、顔、衣服は粉末で覆われていたという。フロアの換気を改善すべきだと述べる作業者もいた。
アルミニウムとマグネシウムは、いずれも工業用研磨材の原料として一般的に使われている。また、マグネシウムは花火、照明弾、閃光粉に使用される引火性の高い金属だ。不十分な換気によってこのような粉末が工場内に溜まり、危険な状況を引き起こした可能性もある。
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