エフセキュアは1月19日、「エフセキュア2010年度セキュリティ総括レポート」(PDF)と「エフセキュア2011年度セキュリティ予測レポート」(PDF)を発表した。
2010年については、「WikileaksとDDos攻撃の容易性」「Stuxnet―ITセキュリティ史上最も重要なマルウェア」「サイバー犯罪検挙において最高の年」「未だに狙われているWindows XP」「モバイルセキュリティの進歩」をトピックとして挙げている。
Wikileaksの台頭は大きな出来事だったが、その反対派と賛成派によるネット上での政略的な攻防は従来からある分散型サービス妨害(DDoS)攻撃であったが、その手法は簡略化され、個人でも参加が可能だったという。Stuxnetについては、おそらく過去10年間において最も重要で、“非常に洗練されたマルウェア”と位置付けている。Stuxnetは工場の制御システムに侵入してプログラムを書き換え、実際の社会に損害をもたらしサイバーサボタージュを現実のものにしたとしている。
一方で2010年は、これまでで最も多くのサイバー犯罪が発生しただけでなく、同時にネット犯罪を犯して逮捕された人、有罪判決を受けた人の数が過去最高になった“素晴らしい年”であるとしている。特に「T.J. Maxx」など米大手小売りのシステムをハッキングし、何千万ものクレジットカード情報を盗んだAlbert Gonzalezは、20年の実刑という重い判決を受けているという。
2011年については、「Stuxnetの模倣犯の出現」「AndroidとジェイルブレイクiPhoneを狙うモバイルマルウェアの増加」「Facebookスパムの世界的増加」を予想している。
Stuxnetのコピーが出現するのは時間の問題であり、またAndroid端末を狙ったアプリケーションやソーシャルエンジニアリングに造詣の深い、個人のスペシャリストによる攻撃は一層激化し、“脱獄iPhone”を狙う脅威が複雑化、拡大するとみている。
Facebookスパムでは、英語圏のFacebookユーザーが無視するようになったため、スパマーは新しい言語圏を狙うとしている。スパムのローカリゼーションを行うことで、新しい被害を生む可能性があると指摘している。
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