フランスの出版社から提訴されて長く争われていた著作権侵害訴訟で、Googleは現地時間12月18日、パリの裁判所が同社の主張を認めない判決を下したと述べた。
裁判所は検索大手のGoogleに対して、出版社のEditions du Seuilを傘下に置くフランス企業La Martiniereへの損害賠償金30万ユーロ(約43万ドル)の支払いを命じた。この訴訟は、「Google Books」の検索結果に含める目的で同出版社の書籍の抜粋をスキャンしたことにより、Googleが著作権を侵害したとして訴えていた。La Martiniereの主張は、Googleが同社書籍をスキャンしてサイト上で公開するつもりならば、著作者と出版社に補償すべきだというものだった。
判決ではまた、Googleに対し、抜粋を削除するまで1日につき1万ユーロを支払うことも義務付けている。Bloombergによると、Googleは評決を不服として控訴する計画だと述べたという。
フランスでGoogle Booksの開発ディレクターを務めるPhilippe Colombet氏は、Bloombergにメール送信した声明の中でこう述べた。「フランスの読者は今や、知識の主要部分へのアクセスを失い、他のインターネットユーザーに遅れをとる危機に直面している。当社は、書籍からの短い抜粋を限られた数だけ表示することはフランスおよび米国の著作権法に従うものであり、書籍へのアクセスを改善するものだと考えている」
Reutersによると、この訴訟は2006年5月にLa Martiniereが提訴したことを発端とし、後にフランス出版社協会(SNE)とフランス作家協会(SGDL)も訴訟に加わり、Googleに1500万ユーロもの罰金を求めていたという。
この訴訟は、適切な補償なしに書籍の抜粋をオンラインで公開したGoogleに対して、憤慨する出版社や著作者が起こした複数の訴訟のうちの1つにすぎない。2008年にGoogleは、米作家協会(Authors Guild)から起こされていた訴訟で敗れ、著作者と出版社に補償金として1億2500万ドルの支払いを命じられた。2009年11月の修正和解案では、一定部分の変更を明確にし、和解条項を最新の内容に更新している。
しかし、Googleの書籍デジタル化への異議は、特に欧州で声高に叫ばれており、Googleは欧州の出版社に対し、スキャンし公開する書籍とそうしない書籍の選択について譲歩を強いられている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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