NVIDIAが、グラフィックスプロセッサの不具合に関連する費用として、同社2009会計年度(2009年1月25日締め)に4360万ドルを投じていたことがわかった。また、これとは別に、同社の広報担当が米国時間3月16日、2008年に同社が開催した大規模なカンファレンス「NVISION」を2009年には行わないことを明らかにした。
NVIDIAは、米証券取引委員会(SEC)に提出したForm 10-K(年次報告書)の中で、「劣化したダイおよびパッケージング材料の修復および交換費用の累積にともなう補償への経費」として、2009会計年度に4360万ドルを支出したと報告している。この件については、IDG News Serviceがすでに報道している。
NVIDIAは2008年7月2日、一部のノートPC用グラフィックスプロセッサで使われた材料の問題に関する費用をまかなうために、特別損失を計上する計画があることを発表した。その後、この問題に関して「今後予想される顧客への補償、修復、返品、交換などの関連費用をまかなう」ためとして、1億9600万ドルの費用を2009会計年度第2四半期(2008年7月27日締め)に計上していた。
2007年にはすでに、Hewlett-PackardがNVIDIA製グラフィックスプロセッサの不具合が影響するノートPC製品の一覧を発表していた。2008年8月には、Dellも不具合の影響する製品の一覧を明らかにした。また、Appleは2008年10月に、不具合のあるグラフィックスプロセッサを修理すると発表している。Appleについては、新しい「MacBook」にもNVIDIA製グラフィックスプロセッサの問題があるとの報告が最近出ているが、Appleは現時点では、噂されているこの問題の存在を確認していないという。
また、NVISIONカンファレンスの進展に関連して、NVIDIAの広報担当を務めるDerek Perez氏は、同社が大規模なNVISIONカンファレンスを主催することは、「計画にない」と述べた。同カンファレンスは、2008年にカリフォルニア州サンノゼのサンノゼコンベンションセンターで開催されている。同氏は「旅費が圧縮され、経済状況が旅程に影響を与える中で、われわれは2009年の計画を変更した」と述べ、NVISIONがより小規模で、「より焦点を絞った」開発者向けの一連のイベントになる予定であると続けた。
2008年は、NVIDIAが同カンファレンスを開催した最初の年だった。
台湾の技術系ニュースサイトDIGITIMESが今回の件を先に報じていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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