IBMが求めていた仮差止命令が下された。この命令は、元IBM幹部のMark Papermaster氏がAppleの「iPhone」部門責任者に就任するのを阻止する目的で出されたものだ。
Appleは2008年11月、Papermaster氏をiPhoneおよび「iPod」部門の新しい責任者として雇用することを発表した。だがIBMは、同氏がAppleに就職することはIBMを退職しても競合企業で働かないという契約に違反するとして、10月下旬にPapermaster氏を訴えていた。米国時間11月7日午後に公表された文書によると、米連邦地裁のKenneth Karas判事は同日、Papermasterに対して「Appleとの雇用関係をただちに停止し、当裁判所から新たな命令を待つ」よう命じたという。
Papermaster氏は、自身が率いることになるのはAppleのモバイルコンピューティング部門であるため、この役職はIBMの事業と直接競合するものではないと主張していた。しかし、Karas判事は何らかの理由から、Papermaster氏の主張とは異なる結論に至った。同判事は「理由は近く法廷意見の中で示される」と述べ、詳述することを拒否した。
予想通り、IBM側はこの結果に喜んでいる。同社は声明の中で次のように述べた。「われわれは、Karas判事が当社の仮差止命令請求を認めたことを喜んでいる。Papermaster氏がAppleに雇用されることは、IBMを退職しても競合企業で働かないという契約に違反する行為だ」
しかし、Appleも楽観的な態度を崩していない。Appleは声明の中で、「当社は裁判所の命令に従うつもりだ。しかし、この騒ぎが収まったとき、Mark Papermaster氏が結局はAppleに参加できるようになることを確信している」と述べた。Papermaster氏の代理人にもコメントを求めたが、今のところ回答は得られていない。
Karas判事は(裁判前の)現況協議を11月18日に予定しており、「そこで情報開示および審理日程の迅速化について協議する予定であり、原告側と被告側の双方に対しては、事前にこの件を協議するよう奨励する」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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