日本エイサーは10月15日、都内でエイサー・マルチブランド戦略の発表を行った。マルチブランドとは、エイサーが持つ「acer」「Gateway」「eMachines」「Packedard Bell」の4つのブランドを指す。各市場やユーザー層に合わせて、異なるブランドを同時に展開し、向こう3年以内に日本のトップ5に入ること目指すと強調した。
日本エイサーの代表取締役社長であるボブ・セン氏は、マルチブランド戦略について自動車業界や化粧品業界などですでに行われているものと説明。PC業界もマルチブランド戦略をとることで、日用品へと変化するPCにおいても、より多くのセグメントへ訴求できると訴えた。
エイサー マーケティング&ブランディング コーポレート バイスプレジデントのジャンピエロ・モルベーロ氏は、Gateway買収後、世界中でエイサーの事業展開の地域差がなくなったことを挙げ、マルチブランドによって、ユーザーの嗜好に合わせたブランドに分けるメリットを語った。
モルベーロ氏は、ブランドのポジショニングマップを示し、「eMachinesは、あまり付加価値がなく、なるべく安いPCを求める層。反対に、ブランドがプレミアムなら、多くのお金を費やす層。テクノロジを重視するが、ブランドにはあまりコストをかけない層に対しては、他のブランドがある」と説明した。また、発表予定のGatewayブランドのネットブックについては「Aspire oneとは違うものになる」と明らかにした。
日本エイサーのマーケティングコミュニケーション課マネージャーの瀬戸和信氏は、国内でのブランド展開について「各ブランドの強みを生かして、異なるターゲットを獲得し、シェアと利益を拡大を図ること」と目的を掲げ、「通常であれば、多数派にあったターゲットを絞るが、われわれは各ユーザーにあったブランドを投入していくマルチブランド戦略をとる」と、他社との違いを強調した。
国内で用意されるブランドは「Packedard Bell」を除く「acer」「Gateway」「eMachines」の3ブランド。
瀬戸氏は「Gatewayは日本進出の際、ブランドを非常に高めた。引き続き有効活用し、ハイブランドポジションを確立したい」「acerは、Aspire oneなど先進的なイノベーション製品を投入し続けている。今後も製品リードで、ハイテクノロジのポジションを確立する。eMachinesは価格性能比を発揮できるブランド。ローテクから、ハイテクまで、広いレンジでポジションニングを確立していきたい」と説明した。
なお、今後の製品について、具体的な発表はこの場ではなかった。日本での市場を調査した上で、新しいロードマップを後日あらためて発表するという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」