カリフォルニア州サンタクララ発--Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏は、長期的に見ればMicrosoftは検索でGoogleに対抗するチャンスを持つ唯一の企業かもしれないが、それには多くの年月とコストがかかることを認めた。
Churchill Clubでの講演で、同氏は、「それにはしばらく時間がかかるだろう。わたしたちにはすべきことがたくさんある」と述べた。
Ballmer氏との対談の司会を務めた投資家のAnn Winblad氏は、Ballmer氏が2006年にChurchill Clubで講演した際、検索は5年にわたる戦いだと述べていたことを指摘した。
「5年がかりの仕事になる。長期的な仕事だ」とBallmer氏は笑いながら語った。
Ballmer氏は、成功するには検索のエクスペリエンスとエコノミクスを根本的に変える方法を見つける必要があると述べた。「カテゴリを再定義する必要がある。Microsoftはすでにその方向に歩みを進めている」
「強引に市場に参入することはない」と同氏は語った(筆者は周りを見てみたが、この発言でむせた人は見当たらなかった)。
反トラストの急先鋒(せんぽう)であるWinblad氏は、Googleの経営陣に何かアドバイスはないかとBallmer氏に尋ねた。「アドバイスがあれば、自分自身のために取っておくだろう」と同氏は答えた。
また、Ballmer氏は、Amazonの「EC2」のライバルとしてうわさされているMicrosoftの「Red Dog」に関する質問など、他のいくつかの話題については沈黙を貫いた。しかし、Microsoftが6週間後にロサンゼルスで主催するProfessional Developer Conferenceではもっといろいろ発表すると約束した。
Ballmer氏は、Red Dogなどのクラウドコンピューティングへの取り組みが、開発者、特にウェブ開発者にとって勝利の鍵になると述べた。
「最終的に、クラウドコンピューティングは、開発者の関心と創造力をいかに集められるかにかかっていると思う」(Ballmer氏)
そのほかの話題については以下の通り。
Seinfeld氏とGates氏が登場するCMシリーズ:「2週間のキャンペーンだったが、2週間以上、人々の話題に上らせることができた」(Ballmer氏)
携帯電話ビジネス:Ballmer氏は、5〜10年後には、1年間に販売される数十億台の携帯電話はすべてスマートフォンになるだろうと述べた。つまり、少なくともマスマーケットでは、ソフトウェアとハードウェアが分かれる可能性が高いという。また、その市場のプレーヤーである「Windows Mobile」「Symbian」「モバイルLinux」「Android」について、Microsoftが最も成熟していると述べた。
Ballmer氏によれば、Research In Motion(RIM)とAppleの事業は利潤性が高いかもしれないが、ニッチになる可能性が高いという。「Microsoftは大きな市場シェアを求めて戦っている。だからといって、AppleやRIMが大もうけできないということではない」
Windowsに関連する問題について:「すべてのバージョンのWindowsは統計的には(中略)前のバージョンよりも良くなっている。とはいえ、すでに完ぺきなレベルに到達していると言うつもりはない」(Ballmer氏)
Ballmer氏によると、Microsoftは「Vista」について、その是非はさておくとしても、互換性の問題の原因になっていたいくつかの点をセキュリティの名の下に変更する方針を選んだという。
Microsoftが、オープンな汎用プラットフォームではなく、機能が固定されたデバイスを作ろうとすれば、もっと簡単だという。それでも、目標は誰もが気に入るシステムだと、Ballmer氏は述べた。「Microsoftでは、毎日5000人が集結して(中略)そのたった1つの課題に取り組んでいる」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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