米国時間6月6日に発生したAmazon.comのサービス停止は約2時間で解消した。さて、その原因は何だったのだろうか。
同社は、同日午後、トラブルの解消を宣言した。「Amazonリテールサイトが本日午前10時25分ごろから約2時間にわたりダウンした。現在は復旧している」
しかし、原因については、コンピュータインフラストラクチャが複雑なためトラブルが原因とするだけで、それ以上の言及を避けた。
「当社のシステムは非常に複雑だ。最善を尽くしてはいるが、まれに障害が発生することがある。当社としては、かかる事態をできる限り少なくし、また速やかに復旧させるよう努めている」
ウェブサイトの運用状況を調査している企業Keynote Systemsの運用責任者であるShawn White氏によると、単純な人為ミスが原因の可能性が最も高いという。
「(サイトが停止する)ことになるとは知らずに(システムを)変更したのではないか」
たとえば、担当者が保守作業をするためインターネットのトラフィックを特定のサーバグループに振り向けたが、その振り向け先を間違えたということはあり得るという。
しかし、Amazonがそういうミスをするだろうか。「驚くのは、これが日中に発生した点だ。保守作業は繁忙期を外して行うのが通例。しかも、Amazonはパフォーマンスと可用性では、一貫して、いつでもトップクラスにある企業だ」
もう1つの可能性は、分散型サービス拒否(DDOS)などの攻撃だ。実際、2000年にAmazonを含む著名サイトがDDOS攻撃にさらされサービス停止に追い込まれた例がある。しかし、同氏によると、ネットワーク負荷の集中ぐらいでAmazonがダウンするとは考えにくいという。
通常でも買い物が集中する時期がよくあるため「Amazonは利用の一時的な殺到には手慣れている。また、トラフィックの問題やサービス運用妨害があった場合、通常、パフォーマンスが徐々に低下しアクセスできなくなってくる。しかし、今回のケースでは、午前10時16分にいきなり完全にダウンしてしまった」
ネットワークの保護と管理を業務とする企業Narusの上級技術スタッフSoups Ranjan氏は、今のところ攻撃の証拠は見つかっていないと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」