Yahooの株価は、米国時間5月6日午前中に、6%以上の上昇を記録して、Microsoftが買収提案を持ちかけていた過去3カ月間で最低レベルの価格をも突破する、急落後の低価格レンジを脱した。
Microsoftが一方的な買収提案の撤回を明らかにした週末の動向に、投資家たちが週明けに反応した結果、Yahoo株価の5日の終値は大幅安となっていたものの、6日午前中には、5日終値を6.28%上回る、1株あたり25.90ドルまで上昇した。投資家による失望売りなどの影響を受けて、Yahoo株価は5日、前週末より15%下落していた。
本稿が執筆された6日午前に、Yahoo株価は、1株あたり26ドル前後で取引されており、Microsoftが買収提案を持ちかけていた過去3カ月間の最低価格だった25.72ドルを上回った。Yahoo株価は、一時は1株あたり26.25ドルの高値をつけた。
アナリストたちは、MicrosoftとYahooの交渉再開を期待する投資家たちが、株価を押し上げているとの分析を出した。
News.comのブログ上でDan Farber氏も「Ballmer氏との再交渉」を示唆するものとして引用していたが、ウォール街の動向をにらむ複数アナリストは、5日にYahooの会長や幹部らがプレスに対して語ったとされるコメントに注目している。また、アナリストたちは、Yahooの一般的な大手機関投資家らの否定的反応が、両社を再び交渉のテーブルにつかせる上でも効果的であると指摘する。
以下は、複数メディアが5日に、Yahooの会長や幹部らに行ったインタビューの一部である。Yahooは交渉再開さえ望んでいるようであり、ある意味では、交渉決裂を招いた1株あたり37ドルの買収額の要求に、それほどこだわっているわけでもないことが見えてくる。
Bloomberg Newsの記事によれば、Yahooの最高経営責任者(CEO)Jerry Yang氏は、同社としては「もしいつの日か、だれか別の人物が戻ってきて買収を提案するならば」交渉に応じる用意があると語った。
Sarah Lacy氏のTech|tickerブログによれば、Yahoo社長のSue Decker氏は、「Yahooの経営陣は、1株あたり31ドルという、Microsoftが書面で提示した額を検討し、株主たちの意見を求めるにとどまった」と語り、Microsoftが、再提示額の1株あたり33ドルを書面で確証することは決してなかったと述べている。
The Wall Street Journalは、Yahoo会長のRoy Bostock氏が「あらゆる要因を考慮した結果、われわれとしては、Yahooの公正なる企業価値は(1株あたり)37ドルであると告げねばならないとの意向を伝えた。これは、この額を受け入れられないのであれば交渉を打ち切るといった趣旨のメッセージではない。だが、Microsoftは、この提示額への対応として、ただ買収提案を撤回することを選んだのだ」と語ったと伝えている。
アナリストたちは、こうした一連のコメントが、面目を保ちつつ、Yahooが交渉の再開を打診しているようにも受け取れると評している。
Stanford GroupのアナリストであるClayton Moran氏は「言うなれば、『1株あたり33ドルの提示額を書面では受け取らなかった』との表現は、暗にYahooが懇願しているのではないことを示す意図もある。このようなケースでは、口頭での提示額は、かなり確実な意味合いを帯びていたはずだ。それで、書面で受け取らなかったと述べることにより、その提案は、それほどひどいものではなく、さらなる交渉にも応じるということを潜在的に示唆している」とコメントした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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