ウェブサイトの健全性を評価、認定する機関「インターネット・コンテンツ審査監視機構(I-ROI)」の設立が4月25日、発表された。9月をめどに、サイトの認定を開始する。
学識経験者と有識者が集まってレーティング基準を策定し、それに基づいて健全性を審査する。PCサイトとモバイルサイトの両方を対象とし、年齢や利用シーンによってレーティングにいくつかの段階を設ける考えだ。
この問題に関しては、総務省のコンテンツ安心マーク(仮称)調査研究会が、2004年度に安心してインターネットを利用できる環境を作るための調査研究をし、2005年度から2008年度にかけては社団法人デジタルメディア協会が、コンテンツアドバイスマーク(仮称)推進協議会という名称で、制度と運用方法について検討してきた。これらの結果をもとに、サイトの認定をするのがインターネット・コンテンツ審査監視機構ということになる。
審査にあたっては、デジタルメディア協会の「インターネット及びモバイル・インターネットにおけるコンテンツ・サービスを安心して利用するためのガイドラインに関する検討・調査研究」の成果を活用する。
審査監視機構の設立委員には、ソニー アドバイザリーボード議長の出井伸之氏や角川グループホールディングス代表取締役会長兼CEOの角川歴彦氏、学校法人慶応義塾常任理事で慶應義塾大学環境情報学部教授の村井純氏らが名を連ねている。また、名誉顧問には財団法人国際科学技術財団理事長の近藤次郎氏を迎えた。
今回の監視機構が設立された背景には、自民党や民主党がインターネット関連事業者に対して、青少年が有害情報にアクセスしないように規制するよう求める法案を作成していることがある。国の規制ではなく、民間の自主努力でインターネットの安全性を担保したいというのが、監視機構側の考えだ。
「競争が激しく、技術革新の早い世界に(規制法案は)そぐわない。民間が国の考えを聞きながら、安全なコンテンツを推進していきたい」と設立委員会のメンバーの1人であるコーエー ファウンダー取締役名誉会長の襟川恵子氏は話す。
モバイルサイトの審査認定については、有限責任中間法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)という組織が4月に発足している。この点については、「インターネットの特性として、コンテンツの多様性や、表現の自由の保障、青少年の保護など、難しい問題がいろいろ絡んでいる。特色を持った第三者機関は複数存在することがむしろ望ましい」(代表理事を務める東京工科大学学長の相磯秀夫氏)とした。
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