サンフランシスコ発--当地で開催中の「Web 2.0 Expo」で米国時間4月23日午前中に行われたセッションの1つに、マイクロブログサービスを提供するTwitterのリードアーキテクトであるBlaine Cook氏がJabberプロトコルと「リアルタイムウェブの構築」について語るというものがあった。
ここでの問題は--その日の朝に、Cook氏がTwitterを退社するというニュースが明るみに出たことだった。間の悪いことだ。
Cook氏は複数のブログにおいて自身の退社について、英国へと引っ越すためだと発言していた。しかし、今回の騒動に詳しい関係者がCNET News.comに語ったところによると、Cook氏は何らかの理由でその職を解かれたのだという。Cook氏はSilicon Alley Insiderへの電子メールの中で、2週間前の退社を「円満なもの」だと表現し、アドバイザーとしてTwitterに残る可能性が高いと述べている。
セッションが終わった後、Cook氏はCNET News.comに対して、退社の背景には「複数の要因」があり、今秋には英国へと引っ越す予定だと語った。そして同氏は、それまでさまざまな可能性を模索するつもりだとも述べた。ただ、同氏によると、大西洋をまたぐ半ば定期的な通勤を避けるために、英国の会社に就職することになるだろうという。また、同氏の退社についてのニュースが明らかになったわずか数時間後にカンファレンスの壇上に上がったことについて、同氏は「頭がおかしくなってしまいそうな朝だった」と述べている。
Cook氏にとっては幸いなことに、Web 2.0における同氏のテーマはTwitterと直接関連するものではなかった。また、それは討論会形式ではなく講義形式であったため、この問題について触れてくるような司会者もいなかった。さらに、内容は非常に技術的なものであり、プレゼンテーション画面に映し出されるのはほとんどがコードであった。このことは、話を聞きに来ていた人々はゴシップよりも技術話の方に興味を抱いていたということを意味している。
ブロガーたちは、Twitterがユーザー数の増加に対応できずに障害を繰り返しているという、Cook氏が本来対処するべきであった状況の責任をとるかたちで同氏が退社したのだという風にこのニュースを受け止めている。しかし、開発者コミュニティーの多くのメンバーがすぐさま、Cook氏への擁護を表明している。例えばGoogleの技術者であるKevin Marks氏は(皮肉なことにTwitterで)、Cook氏は「実世界における厳しいスケーラビリティの問題に関する経験が豊富であり、だらだらと長い理論を語る人よりも価値ある人物だ」と述べている。
また、開発者コミュニティーのあるメンバーはCNET News.comに対して、Cook氏のスキルは非常に高く評価されているため、退社のニュースが明らかになった今、同氏の元には求人が殺到するだろうと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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