UPDATE 欧州連合(EU)の規制当局は米国時間2月27日、独占禁止法違反問題の是正命令を遵守しなかったとして、Microsoftに対し8億9900万ユーロ(13億5000万ドル)の制裁金を命じた。
制裁に問われたのは主に、プロトコルの相互運用性や特許のライセンスに関してMicrosoftが設けた価格体系の問題である。
価格体系の問題は、欧州委員会が2004年3月に下したMicrosoftの反トラスト法違反問題に関する3つの決定のうちの3項目。同社は競合企業がWindowsと連携するソフトウェアを作成できるよう、相互運用性に関する情報を完全かつ正確に提供し、プロトコル技術を「適切かつ差別のない」条件で他社にライセンスすることを求められていた。
ある情報筋は、「(特許使用料をめぐり)制裁金が課される可能性があることについては(中略)常に認識していた。しかし、それがいつなのか、どのくらいの金額になるのか、誰にも分からなかった」とMicrosoftの意見を代弁した。
欧州委員会は2006年7月、競合他社への完全かつ正確な相互運用性プロトコル情報の提供に絡む他の2つの措置に従わなかったとして、Microsoftに対し2億8050万ユーロ(4億2400万ドル)の制裁金を科した。2004年に下された最初の決定は、2007年秋に欧州第一審裁判所が支持している。
制裁措置に従わなかったことでこれら2件の制裁金を課される以前にも、同社は市場における独占的な地位を利用しているとして、最初の命令が下された時にも制裁金4億9700万ユーロの支払いを命じられている(4億9700万ユーロは当時のレートで6億1300万ドル。現在のレートに換算すると7億5200万ドル)。
27日に発表された今回の制裁金は、欧州委員会が1つの企業に対して科す金額としては過去最大のもの。独占禁止法に絡む長期間にわたる争いの中で欧州の規制当局がMicrosoftに対して科した制裁金の総額は約25億ドルに上る。
欧州競争政策担当委員のNeelie Kroes氏は声明で、「50年にわたる欧州委員会の競争政策の中で、独占禁止法違反の決定に従わなかったことで制裁金を科されることになった企業はMicrosoftが初めてだ。今日の措置により、欧州委員会が2004年3月に下した決定の不履行を続けてきたMicrosoftの暗黒の章が終わりを告げることを希望する」と述べている。
今回の措置は、Microsoftがオープンソース開発者に対して法的手段を取らないことを含む広い範囲にわたる互換性戦略を発表したわずか1週間後に下された。
Microsoftは声明で「当社製品のオープン性の向上に向け、相互運用性に関する新たな方針と明確な行動で当社が先週明らかにしたように、Microsoftは将来に向けて事態を改善するための方法に注力している」と述べた。
Microsoftの発表と欧州委員会の制裁金発表は時間を置かずに行われたが、ある情報筋は、これら2つの発表に関連はないとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」