Microsoftは、Yahooに対して446億ドルの買収提案をしたことによって、ここ10年近く経験していなかったような厳しい独禁法違反の審査を米連邦政府から受けることになるかもしれない。
そもそも連邦政府がかかわってくる以前に、Yahooの株主や取締役がこの取引をどう考えるかを含め、克服するべき障害は多い。しかし、どのような審査が実施されるにしても厳しいものになることをうかがわせる兆候がすでに現れている。
上院の反トラスト問題を扱う小委員会の委員長であるHerb Kohl上院議員(民主党、ウィスコンシン州選出)は米国時間2月1日、「提案されている取引が、これまで活力を維持してきたハイテク市場の競争状態にいかなる害悪も与えることなく、またインターネットユーザーのプライバシーの権利にも悪影響を与えないことを慎重に審査する必要がある」と声明で語った。「もしYahooがMicrosoftの提案を受諾したら、当小委員会は聴聞会を開いてこの取引が競争とプライバシーに与える影響を調査する予定である」(Kohl上院議員)
Kohl上院議員は合併に決して好意的ではない。Kohl上院議員と同小委員会の筆頭委員であるOrrin Hatch上院議員(共和党、ユタ州選出)は、GoogleとDoubleClickの合併では強力な調査を要請した。また、Kohl上院議員は衛星ラジオサービスのXMとSiriusの合併を阻止するように司法省に要求した。さらに同上院議員はAT&TとBellSouthの合併にも条件をつけるように要求したことがある。
加えて、リベラルなプライバシー擁護団体の一群がすでに司法省または連邦取引委員会(FTC)に対して合併の阻止、または少なくともプライバシー関連の譲歩を要求する準備を進めている(合併審査は司法省とFTCの両方が担当する)。
GoogleのDoubleClick買収に反対したデジタル民主主義センター(CDD)のJeff Chester氏は「今回の合併は、競争全体やコンテンツの多様性に対する影響を含めて詳細に調査する必要があると思う」と述べている。さらに「市場全体、特にGoogle/DoubleClick連合と成立する可能性があるMicrosoft/Yahoo連合の目的と能力を十分に視野に入れた消費者のプライバシー保護が法制化されるまでは、今回の取引を一切前に進めて」欲しくないとも述べている。
電子プライバシー情報センター(EPIC)事務局長のMarc Rotenberg氏は「競争や技術革新をめぐる懸念に加えて、今回提案されている合併がインターネットユーザーのプライバシーに及ぼす影響を考慮するべきである」と述べている。
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