OpenOffice.org、ODFよりOOXMLの採用を推奨するレポートに反論

文:David Meyer(Special to CNET News.com) 翻訳校正:大熊あつ子、佐藤卓、福岡洋一2008年01月21日 12時19分

 Microsoftの文書フォーマットOffice Open XML(OOXML)のほうがOpenDocument Format(ODF)より好ましいとの分析を示した調査会社Burton Groupの報告書に対し、OpenOffice.orgが異議を唱えている。

 最新世代の文書の標準規格は、構造化データを簡単に共有できるようにするため、World Wide Web Consortium(W3C)が策定した仕様Extensible Markup Language(XML)をベースにしているのが一般的だ。

 こうしたXMLベースの文書の標準規格で双璧をなすのがODFとOOXMLだ。ODFは、「OpenOffice.org」など無料または低価格のオフィス生産性スイートが採用しているフォーマットで、MicrosoftのOOXMLは、「2007 Microsoft Office System」でデフォルトのフォーマットとなっている。

 OOXMLは2006年末、会員によって構成される標準化団体Ecma Internationalから標準規格として認定された。しかし、国際標準化機構(ISO)からの認定はまだだ。一時は多くの加盟国の標準化団体から賛成票を得て承認されそうなところまでいったが、投票の過程に問題があったとする批判が出て大きく後退している。対照的にODFは、すでに2006年からISO標準として認定されている。

 米国に本拠を置くBurton Groupは、米国時間1月14日に公開した報告書「What's Up, .DOC?」の中で、Microsoftの旧フォーマットと互換性があることを主な理由として、大規模企業ではODFよりもOOXMLのほうを採用するよう提言した。

 「Microsoft製ではない無料の生産性スイートを使用したいと考える政府系の組織などは、OpenOffice.orgの支持するODFファイルフォーマットを採用したがるだろう。一方、長年にわたってMicrosoft Officeの旧フォーマットで文書を作成し、保存してきた図書館や大規模企業は、OOXMLのほうを好むはずだ。その理由は、OOXMLのほうが、Microsoftのバイナリファイルフォーマットで保存したときの見た目と(スプレッドシートの計算式などの)メタデータをより忠実に再現できるからだ」と報告書は記している。

 さらに、報告書は次のように続ける。「つまり、OOXMLのほうがODFよりもエコシステムとアプリケーションを重視しているため、ほとんどのベンダーや大企業は、ODFよりOOXMLのほうが便利だと考えるだろう。また生産性アプリケーションとしての観点からすると、ODFは内容と表示の面に主眼を置いているため、構造と動作の面で高度な機能が求められる状況ではあまり役に立たない」

 また、話はISOでの投票過程の問題にも及んでいる。報告書は、「いくつかの点で、このOOXMLの一件がいい意味での刺激や反応となり、ISO内に改善をもたらすだろう」という表現で、ISOが「妨害行為」を受けて承認手続きを見直す可能性を示唆している。

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