McAfeeは米国時間10月30日、ScanAlertを買収することを発表した。買収金額は約5100万ドルで、現金で支払われる。
今回の買収によって、McAfeeは何を得ようとしているのだろうか?まず第一に目につくのは、ScanAlertのホームページセキュリティ認証サービス「Hacker Safe」だろう。これにより、McAfeeが提供する「SiteAdvisor」セキュリティ評価システムが強化され、安心してオンライン決済ができるという保証を得たい顧客に対して、ScanAlertが提供する、いわゆるホームページの“品質保証”マークを示せるようになる。
買収は2008年第1四半期に完了する予定となっており、ScanAlertのEコマースセキュリティ認証サービスは、McAfeeのSiteAdvisorシステムへ統合される。McAfeeは、SiteAdvisorを2006年に買収した。SiteAdvisorは、検索結果の安全性に関する情報を提供し、閲覧しようとしているホームページに、コンピュータに悪影響を与えるスパイウェア、スパム、ブラウザ攻撃などの危険性がないかを事前に知らせてくれる。
ScanAlertは、脆弱性の存在や修正状況などのスキャニングテストを行い、チェックをパスしたホームページに対して、Hacker Safe認証を発行する。ScanAlertから、Hacker Safeマークの継続承認を得るためには、ホームページのスキャンを毎日受ける必要がある。
買収完了後は、SiteAdvisorを通じてHacker Safe認証が表示され、双方の技術が統合される。
ScanAlertが独自に実施した調査結果によれば、セキュリティへの不安は、オンラインショッピングでの顧客の購入意思決定や決済を、半日以上遅らせてしまっている。
こうした懸念は、何も新しいものではない。2年前に発表されたRSA Securityの調査報告書によると、オンラインショッピング利用者の4分の1が、ID詐欺への不安から、購入を控えてしまった。
その結果として、Eコマースサイトの運営者は、ホームページのセキュリティを向上する様々な技術に、特に関心を抱いてきた。
McAfeeとの買収交渉には、一定の業績目標を達成すれば、さらに買収総額が2400万ドルアップする条件も含まれているようだ。
ScanAlertの現在の顧客数は8000で、7万5000以上のホームページをカバーしている。東芝、Warner Bros.、米国赤十字社なども、その顧客に含まれる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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