Microsoft、Amazon.com、Cisco Systemsなどのハイテク企業が長年求めてきた米国の特許法改正が、ようやく米連邦議会で勢いを得ることになりそうだ。
米国時間7月19日夜に行われた米上院司法委員会での決議投票の結果、13対5で「米国特許法改正案」(Patent Reform Act of 2007)が承認された。改正案の支持者たちは、費用のかかる法廷闘争を食い止め、行き過ぎの感がある損害賠償額に限度を設け、何よりもまず、疑わしい申請案件に特許を与えないようにするのに、この法案が役立つと述べている。
Orrin Hatch上院議員(共和党、ユタ州選出)と共同で法案を提出した司法委員会のPatrick Leahy委員長(民主党、バーモント州選出)は、投票後の声明で、「わが国の特許法が国内の各業界における創意工夫の奨励と保護を確実なものにするという姿勢を、われわれは再確認した」と述べた。
審議を重ねるうちに委員会の考え方はしだいに変化して、今回の動きとなったものだが、この前日の18日には米下院司法委員会が全会一致で同様の法案を承認している。
両院の法案はどちらも、2007年4月に記者会見で華々しく発表されたときは同じ内容だったが、さまざまな修正が施されたため、今では中身に少し違いがある。上下両院の本会議で法案が承認されれば、この違いを調整する必要が出てくる。
今回、上下両院の司法委員会が比較的素早い対応を示したのとは対照的に、過去の議会の審議では、特許法改正をめぐる議論は遅々として進まなかった。前回、特許法の全面見直しが提案された際には、特許をビジネスモデルに組み入れるやり方が産業分野によって異なることが原因で審議は紛糾し、結局は廃案になっている。
今のところ、一本化された特許法改正案が大統領に提出されるかどうかはわからない。どちらの法案も、幅広い企業や団体から相当な抵抗を受け続けている。具体的には、大手メーカー(General Electric、3M、Procter & Gambleなど)、製薬会社、バイオテクノロジ企業やナノテクノロジ企業、ベンチャーキャピタリスト、大学、研究機関、それに、QUALCOMMのように特許のライセンスに依存する傾向が強い企業などだ。
「それでもなお、この法案は特許の保護を強化するのでなく、弱体化させ腐らせることになる。そうして革新を鈍らせ、起業家精神を抑えつける」と、Innovation Allianceは上院での法案承認について出した声明の中で述べた。同団体には、QUALCOMM、Tessera、AmberWave Systemsなどが加盟し、下院に提出された法案についても同様の声明を出している。
一方、ハイテク業界の企業は同法案の承認を歓迎している。市場のシステムが特許保有者に有利な方向に歪められ、いわゆる「パテントトロール」の出現を促したとして、従来のシステムに異議を唱えているからだ。パテントトロールとは、資金力のある同様の会社に対して、法外な損害賠償やロイヤリティ支払いを要求するためだけに特許を所有する企業を指す。
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