Googleは米国時間6月25日、Microsoftが計画する「Windows Vista」への修正は、同社の独占禁止法に関する懸念を一掃するには疑問が残ると述べた。
CNET News.comは、米国地方裁判所のColleen Kollar-Kotelly判事にGoogleが提出した7ページの資料を入手した。そのなかで、Googleの顧問弁護士は「Vistaがデスクトップ検索製品の選択肢を公平に提供し、最終判決に従ったものになるには、改善が必要である」と書いていた。
この書類は、Kollar-Kotelly判事が政府とMicrosoft双方の弁護人から状況を聞く聴聞会の前日に提出された。聴聞会は年4回ワシントンで開催されている。同判事は、2002年の独占禁止法訴訟におけるブッシュ政権との和解を受けて、Microsoftの法令遵守状況を監視してきた。
Microsoftは先週、米規制当局と共同で裁判所に提出した資料の中で、Vistaのデスクトップ検索機能に関して3つの対策を講じることに同社が同意したことを明かした。
1つ目の対策は、競合するブラウザやメディアプレーヤーと同じように、コンピュータメーカーと個人の双方がデフォルトのデスクトップ検索プログラムを選択できるメカニズムを用意するというもの。2つ目は、「Windowsが検索結果表示用に新しいトップレベルのウィンドウを開いたら必ず」デフォルトのプログラムを起動するというものになっている。そして3つ目は、「Vistaのデスクトップ検索インデックスはバックグラウンドで動作する設計とし、コンピューティングリソースの優先権はサードパーティーのデスクトップ検索製品や各社の検索インデックスなど、ほかのソフトウェア製品に譲る」ことをソフトウェアメーカー、コンピュータメーカー、ユーザーに伝えるというものだ。
しかしGoogleは25日に先の書類を提出し、より詳細な情報がないと2006年に浮上した懸念を払拭するのに、Microsoftの計画が十分か否か判断できないと述べる。
たとえばGoogleの弁護士は、「ユーザーが自ら設定を変更すれば、2回目以降の検索では、選択されたデスクトップ検索製品の検索結果を表示されるメカニズムは用意されるものの、OS上で目につきやすいショートカットやメニューから最初に検索を実行したときには、引き続き独自のデスクトップ検索結果を表示するように思われる」と書いている。
Googleはまた、検索機能を選ばせるよりもWindowsの「スタート」メニューや、デスクトップを右クリックしたときに表示されるメニューから「検索」のオプションを削除することをMicrosoftは狙っているのではないかという印象を受けたと述べている。
判決のなかのミドルウェアに関する合意(拡大解釈をすれば検索の問題も含む)は、2007年11月まで有効となっている。しかしGoogleの弁護士は、Microsoftが検索の変更箇所をどう実装するかを規制当局が引き続き監視できるよう、期限を延長するよう求めている(Microsoftは、変更箇所のベータ版はService Pack 1の一部として2007年末までに投入される見込みだという)。
これに対し、Microsoftの広報担当Jack Evans氏は、「われわれは、互譲の精神を持ってこれらの問題を解決するため、非常な努力をしてきた」と述べている。
Evans氏は電子メールで取材に応じ、「政府は、われわれが行っている変更に対して満足を表明している。Googleは提出書類の中で、新しい情報を1つも出していない」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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