携帯電話業界の先駆けで億万長者のCraig McCaw氏が立ち上げた無線ブロードバンド企業、Clearwireは米国時間3月8日、NASDAQで新規株式公開(IPO)を実施し、6億ドルを調達した。
8日に同市場での取引が始まると、Clearwireの株価は9%増の27.25ドルに急騰したが、正午までには25.42ドルに下がった。それでも、Merrill Lynch、Morgan Stanley、J.P. Morganといった引受会社がつけた25ドルからは1.68%増となる。
Clearwireは、普通株2400万株を売りに出し、「CLWR」というティッカーシンボルで取引を行っている。同社は1株23〜25ドルを予想していた。
売却による利益は、受信可能地域の拡大と周波数域のさらなる獲得にあてられる予定だ。Clearwireは、2008年1月28日までに米連邦通信委員会が開始することになっている、700MHz周波数帯の次の競売に応札するとみられている。
Clearwireは、WiMAXと呼ばれるパケット技術を使い、安定した無線ブロードバンドネットワークとモバイル向け無線ネットワークを世界各国で構築している。米国ではすでに34の商圏で展開しており、20万人弱の契約者を獲得した。また、米国外では約2万2000人の契約者を集めている。
Clearwireが最初にIPOを申請したのは2006年5月で、4億ドルを集める計画だったが、その後IntelとMotorolaから9億ドルの資金を得たため、計画を中止した。そして2006年12月、同社は再びIPOを証券取引委員会(SEC)に申請した。
Clearwireはまだ黒字に転じおらず、提出された最新の資料によると、1億ドル売り上げるのに2億8400万ドルを失っている。しかし、ウォール街はClearwireの計画に対し楽観的なようだ。この理由の一部には、McCaw氏が携帯電話業界の伝説的存在であり、Cellular Communicationsを米国初の全国的な携帯電話会社に育て上げたということがあるかもしれない。1997年、McCaw氏はその事業を114億ドルでAT&Tに売却した。その後、旧AT&TからAT&T Wirelessがスピンオフし、それをCingular Wirelessが買収した。現在は新しいAT&TがCingularを傘下に収めている。
それでも、Clearwireは厳しい競争に直面している。最もよく知られたライバルはSprint Nextelで、同じくWiMAXを使って全米規模のネットワークを構築中だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」