カナダの遠距離通信会社がCisco Systemsに、iPhoneブランドの使用権侵害を通知する警告文書を送った。
Ciscoは2007年1月、Appleを相手取り米連邦裁判所でiPhoneの商標侵害を巡る訴訟も起こしており、この件については方々で問題を抱える可能性がある。カナダにおけるComwave Telecomとの件では、Appleに対するときよりも慎重な対応をとっている。
Ciscoの広報担当であるJohn Noh氏は、「Comwaveについて知ったのは最近であり、現在徹底的に調査している」と述べた。
トロントに本拠を置くComwaveは、カナダのVoIPサービスで第2位に位置しており、2004年からサービスにiPhoneの名称を使用している。
Comwaveの社長であるYuval Barzakay氏は、「法務部門からCiscoに通知を送った。先方の対応を見てから、今後の行動について判断したい」と述べた。
ComwaveはiPhoneの商標を取得していないが、取得申請はすでに行っている。商標問題の専門家によると、このような場合、カナダ知的財産局では、カナダ国内で最初にブランド名を使用した者もしくは登録を最初に申請した者に商標を認める原則であるという。
Barzakay氏は、「ComwaveのiPhoneには何年もの実績があり、最初に使用した者に権利を認めるカナダの法律(に照らせば)、iPhoneブランドはわれわれのものだ」と述べた。
Noh氏によるとCiscoは、2006年からiPhoneブランドのVoIPデバイスを世界に向けて発売しており、2006年12月にはiPhoneの新製品も2機種発表して、グローバルマーケティングキャンペーンを推進しているのだという。iPhoneはもともと、Ciscoが2000年に買収したInfogearが販売していたものである。CiscoのiPhoneが米国国内だけで販売されていたのか、カナダでも販売されていたのか、明らかでない。
カナダ知的財産局の記録によるとCiscoは、1998年にInfogearを通じてiPhoneの商標取得を申請しているが、2003年中ごろに申請継続を放棄している。
2004年には、AppleがiPhoneの名称使用をカナダ知的財産局に申請している。Barzakay氏によると、Comwaveはその数カ月後に、Appleの申請に対する対抗措置をとったのだという。
Comwave自身が商標の登録申請を行ったのは2005年だが、同社はiPhoneの名称をもっとも(AppleやCiscoよりも)長く使用しているのは自分たちであると主張している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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