未来の照明にはプラスチックが使用される、とCyberluxは語る。
発光ダイオード(LED)の専門企業であるCyberluxは、新型の白色LEDの試作品をおよそ4カ月以内に発表する予定だ。この白色LEDは、製造コストが大幅に低い上に、従来のLEDに比べて明るい。
現在、LEDを使った照明器具は比較的高価だが、製造コストの低さと明るさという2つの利点が組み合わさることで、ガラス球と蛍光灯を使った従来の照明器具に対する競争力が高まる、とCyberluxで社長を務めるMark Schmidt氏は語る。
Schmidt氏によると、現在は、基本的なLEDチップ1個あたり5ドル以上かかるという。また、それを懐中電灯や照明器具で使用するためには、さらに10ドルほどかけてコネクタなどの部品を購入しなければならない。
Cyberluxの新型LEDは、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)とレンセラーポリテクニックインスティテュートからライセンス供与を受けている技術を基礎としている。
従来の白色LEDでは、半導体は青色の光を発する。青色光が蛍光体を通過すると白色光に変化する仕組みだ。蛍光体は、基板上の薄いフィルムになっている。その基板を半導体近くの入り組んだ場所に設置しなければならない。Schmidt氏によると、この蛍光体の設置はLEDの製造過程で、よりコストのかかる作業の1つだという。
Cyberluxが間もなく発表する試作品では、従来の蛍光体に代わり、ポリマーシートが使用されている。このポリマーシートはLEDのために作られたような製品で、シュリンクラップ(包装ラップフィルム)に近い。この技術を発明したのは、UCSBのSteven DenBaars教授と、ノーベル賞受賞者のAlan Heeger教授だ。DenBaars教授は、エネルギー効率の向上と温室効果ガスの削減の手段としてLEDを使った照明を強く推進してきた。またノーベル賞受賞者のHeeger教授もソーラー技術企業Konarka Technologiesの設立を支援した。
ポリマーへの転換は、LEDの他の面も変更しなければならないことを意味する。LEDは熱を発生するので、その熱がプラスチックを溶かす可能性がある。そのため、ポリマー製の蛍光体は、熱がより広範囲で放散するように、従来の蛍光体よりも大きくしなければならない。Cyberlux製LEDの寿命は2万5000〜7万5000時間だ。この寿命は、他の多くのLEDに比べると短いが、従来の電球と比べると長い。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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