全米映画協会(MPAA)は、ボストンに本社を置くLoad 'N Goを著作権侵害で提訴した。同社は、iPodを販売する際、DVDも同時に購入した顧客に対して、そのコンテンツをiPodにコピーするサービスを提供している。
映画会社の業界団体であるMPAAは、Load 'N GoにはDVDの販売や、デジタルプレーヤーへのリッピングを行う許諾を与えていないと主張している。
「この企業(Load 'N Go)はDVDの違法コピーを行っている」と、MPAAの広報担当者Kori Bernards氏は述べた。「同社は、暗号処理されたDVDから映画やテレビ番組を許可なく複製し、それを携帯型ビデオプレーヤーにコピーしている」(Bernards氏)
11月17日の時点で、Load 'N Goとは連絡が取れていない。同社のウェブサイトは閉鎖されており、顧客サービスの電話番号も不通で、電子メールは送達不能で返送されてきた。
電子フロンティア財団(EFF)の弁護士Fred von Lohmann氏はこの訴訟を評して、同一のコンテンツに対し顧客に重複して料金を支払わせようとするハリウッドの陰謀だと述べた。
「この訴訟は、個人が家庭で自分のDVDをコピーする行為にも及ぶかもしれない。映画業界は海賊行為と戦っているだけではない。実際のところ業界は、個人からフェアユース(公正使用)の権利まで取り上げ、その後で買い戻させようとしているのだ」(von Lohmann氏)
「フェアユース」とは、著作物の無断使用が著作権侵害に当たるかどうかを判断する際の判断指針となるものだ。
フェアユースの支持者は、合法的に購入したコンテンツに関して、消費者は広範な権利を認められるべきだと主張している。たとえば、DVDの購入者はその映画をどんな機器にでも自由に転送できるはずだという。
von Lohmann氏によると、Load 'N Goの件で問題となるのは、1998年のデジタルミレニアム著作権法(DMCA)で、著作権保護の仕組みを揺るがすような技術は違法だとされていることだという。
ニューヨークでの訴訟で、CDやDVDのリッピングはDMCAに違反するとの判決が出ている、とvon Lohmann氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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