Microsoftが米国時間10月30日に明らかにしたところによると、同社は、人気オークションサイトで偽造ソフトウェアを販売したとされる業者に対する訴訟を全世界で50件以上提起する予定だという。
Microsoftによると、この訴訟には、米国での15件、ドイツでの10件、オランダでの10件、フランスでの5件、英国での5件が含まれるという。また同社は、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、韓国、ポーランドでも訴訟を提起するとしている。
Microsoftの上席弁護士Matt Lundy氏は、「これは、オンラインオークションサイト上で偽造ソフトウェアを販売する業者に対する世界規模の法的措置だ」とした上で、「偽造者が偽造ソフトウェアを消費者に販売する手段としてオークションサイトが利用されるケースが急増している」と指摘した。
Microsoftは、このようなソフトウェアに対する海賊行為の影響で利益が減少していることを認めている。同社は海賊行為に対する取り締まりを継続的に実施しており、今回の提訴もその一環だ。Business Software Allianceによると、2005年時点で、全世界のパーソナルコンピュータにインストールされているソフトウェア全体のおよそ3分の1が海賊版であり、ソフトウェア業界が被った損失額は何十億ドルもの規模に上るという。
Lundy氏は、「海賊行為は世界的な大問題だ」とした上で、「今回の法的措置は、偽造ソフトウェアを取引している業者をターゲットにしている」と語った。Microsoftは過去にも同様の訴訟を提起している。Lundy氏によると、一般にこの種の訴訟では、被告の偽造ソフト販売を禁じる内容の和解が成立する場合が多いという。
今回の提訴の対象は、eBayなどのオークションサイトのアカウントを悪用し、一般消費者や企業に偽造ソフトを販売したとされる業者だ。Microsoft によると、同社とeBayは、著作権侵害と思われるソフトウェアのオークションの取り締まりを共同で実施しており、取り締まりの件数は年間およそ5万件に上るという。
Microsoftは、同社のWindows Genuine Advantage(WGA)プログラムを通じて消費者から提供された情報をもとに、多くの著作権侵害容疑の販売者を突き止めたという。WGAの下では、ユーザーは現在使用中のWindowsが正規のライセンスを受けた製品であることを立証しないと、他のMicrosoft製ソフトウェアをダウンロードできない。
MicrosoftがeBayで購入された115のソフトウェア製品のテストを実施したところ、そのうちの半数以上が偽造品か、あるいは不正に改ざんされていた。同社によると、eBayで正規のライセンスを受けた本物のMicrosoft製ソフトウェアを購入できる確率は50%以下だという。
Lundy 氏によると、Microsoftが偽造ソフトウェアを分析したところ、偽造者は製品に何らかの手を加えており、中には悪意あるコードを追加するケースもあるという。「(そのような行為は)ID窃盗などのセキュリティ問題を引き起こす可能性がある」(Lundy 氏)
2005年7月以来、WGAプログラムの累積利用者数は5億人以上に上る。そのうちの21%が、非正規版Windowsの利用者であることが分かった。Microsoftは、知らずに海賊版ソフトウェアを購入してしまった人々への支援策として、正規のソフトウェアを無料あるいは割引価格で提供する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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