英国のオンライン広告市場の2005年の総売り上げは24億8000万ドルで、同国のラジオ広告市場の3倍に達したことが、英国情報通信庁(Office of Communications:Ofcom)の通信市場に関する年次報告書で明らかになった。
英国では、2005年にオンライン広告がビジネス誌や消費者雑誌向け広告だけでなく屋外広告も抜き去り、新聞、テレビ、ダイレクトメールに次ぐ英国第4のディスプレー広告メディアとなった。
Ofcomの最高執行責任者(COO)のEd Richards氏は現地時間8月10日、この結果について、「2年前にはほとんど想像できなかった結果」とコメントした。同氏によると、オンライン広告市場の市場規模は今やテレビ広告市場の3分の1以上になっているという。
オンライン広告には2つの大きな利点がある。1つは、ターゲットを絞った広告活動を展開できる点だ。これは、ニッチ性の高いコンテンツを取り扱うにも向いているインターネットの特徴とも適合する。もう1つは、広告主が広告の成果を詳細に追跡できる点だ。この特性により、コストパーサウザンド(Cost Per Thousand:広告掲載1000回あたりの料金を決める形式。米国ではCPMと呼ばれる)方式やコストパークリック(米国ではペイパークリックと呼ばれる)方式といった多様なオンライン広告サービスの提供が可能になった。
10日に発表されたOfcomの報告書は、オンライン広告市場が急拡大しているもう1つの理由として、最近英国では、ブロードバンドインターネットの利用が増加する一方で従来型メディアの利用が減少しており、特に企業にとって魅力ある16〜24歳の若年層でその傾向が顕著である点を指摘している。
Ofcomは同報告書の中で、この傾向が表れた理由をもう1つ挙げている。それは、「(16〜24歳の若年層の)最新技術の保有率が、英国国民全体の同保有率を上回っている」ことだという。英国では、16〜24歳のインターネットユーザーの7割が、ソーシャルネットワーキングやブログといった活動を行った経験があり、そのうちの半数は少なくとも週に1回のペースで行っている。
英国の成人世代の1週間あたりのラジオの利用時間は、2001年から2005年にかけて24分減少し、なかでも減少率が最も高かったのは地方の民間ラジオ放送だった。同期間のインターネットとテレビの利用時間はともに増加したが、テレビの視聴時間の増加分が11分だったのに対し、インターネットの利用時間は19分増加した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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