欧州委員会がMicrosoftに対し3億5700万ドルという前代未聞の多額な罰金を科したことを巡り、さまざまな業界団体が米国時間7月12日にコメントを出している。
Microsoftが2004年の独占禁止法違反訴訟をめぐる裁定を遵守しなかったとして、欧州委員会は今回の罰則を科す判断を下した。欧州委員会は2004年の裁定でMicrosoftに対し、Windows Serverのプロトコルを公開し、ライセンス供与しなくてはならないとの裁定を下していた。この判断に対する各業界団体の見解は2つに分かれている。一方は、この措置が米国企業の欧州進出に水を差すとし、もう一方は小規模ソフトウェアベンダーを助ける良い前例ができたとしている。
Microsoftも設立メンバーとして名を連ねるAmericans for Technology Leadership(ATL)は、欧州委員会の措置について欧州市場をリードしようとする技術企業の勢いを削ぐものとして懸念を表明した。同団体はまた、この判決は欧州規制当局との付き合い方について企業に不安を抱かせることになるとも述べている。
ATLの事務局長Jim Prendergast氏は声明のなかで、「欧州でビジネスを展開するすべての米国企業が不安を抱いているはずだ。この展開により、欧州で成功する米国企業はより厳しい規制を受け、欧州規制当局の思いつきで国際ビジネス戦略を逆手に取られる可能性があることがはっきりした」と述べた。
Microsoftと欧州委員会の裁判の一環として4月に開かれた聴聞会で証言したComputing Technology Industry Association(CompTIA)も同じ見解を示した。同団体は欧州委員会の罰金命令が「勝手で衝動的」な判断だと表現した。
一方、Software & Information Industry Association(SIIA)とEuropean Committee for Interoperable Systems(ECIS)は、サードパーティーのソフトウェアメーカーにとってメリットがあることを強調し、問題に対する規制当局の姿勢を称賛した。
SIIAは、互換性を実現するための資料がMicrosoftから「すみやかに提示される」ことに期待していると述べている。
Oracle、Sun Microsystems、RealNetworksなど、Microsoftの競合企業が多数参加するECISは、サードパーティーソフトウェアとMicrosoft Officeとの完全互換を確保するため、2月に欧州委員会に対して訴えを起こしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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