世界有数の技術企業が参加する業界団体が米国時間2月22日、反競争的手法を用いて業務を展開しているとし、Microsoftを欧州委員会に訴えた。
IBM、Nokia、Oracle、そしてRealNetworksの各社が参加するEuropean Committee for Interoperable Systems(ECIS)は、Microsoftがソフトウェア市場における競争を阻害していると主張している。
ECISは声明のなかで、「われわれは重大な岐路に立たされている。圧倒的なシェアを持つ1社の企業が、そのような状態を維持することが許されるのだろうか。それとも、競争を保証する規定がすべての利益のために優先されるのだろうか」と述べている。
ECISは、Microsoftに対して法的措置を取るよう欧州委員会に求めている。同団体は、MicrosoftがOpenDocument標準を採用しないことや、「.doc」、「.xls」、および「.ppt」の各ファイルフォーマットの詳細を公表しないことにも言及している。Microsoftのこれらの行為により、生産性スイート製品ベンダー各社は「Microsoft Office」との完全互換を実現できずにいるという。
ECISの会長Simon Awde氏は、「Microsoftが続ける反競争的行為を阻止する方法が独禁法の強制執行しかないことはECISとして非常に残念だ」と語った。
欧州委員会のある関係者は報道陣に対し、同委員会がこの訴えについて調査を進めていることを明らかにした。
一方、MicrosoftはECISの行為が持つ意図を一蹴している。
Microsoftの関係者はZDNet UKに対し、「主に『Office 12』や『Windows Vista』の画期的な技術など、消費者のメリットになる新製品の投入時に複数の競合ベンダーが不満を訴えてくることは想定内だ」と語った。
Microsoftはまた、その先入観と、法的手続きを盾にとる行為に関してもECISを非難した。
「ECISの実態はIBMで、ほかの競合各社も規制を自分たちのビジネスに有利なように利用している。彼らは革新があると訴訟を起こしてくる。今回の訴えに関する欧州委員会の情報提供要請には早急かつ包括的に対応するが、まだ今のところそのような要請はない」とMicrosoftでは述べている。
先週、Microsoftと欧州委員会は、2004年の独禁法判決を巡って激しくやりとりをしている。Microsoftは、証拠を無視して正当な法の手続きを怠ったことして同委員会を非難した。Free Software Foundation(FSF)はこれに強く反発し、Microsoftの攻撃を非常識だとした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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