米地裁判事が、顧客の通話記録や電子メールを連邦政府に不当に譲渡したとしてAT&Tが提訴された訴訟を却下すべきか否かの判断を迫られている。
サンフランシスコにあるカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所のVaughn Walker判事は米国時間6月23日、同訴訟の当事者であるAT&Tと電子フロンティア財団(EFF)の双方の主張を聞いた。権利擁護団体のEFFは、1月に提起した同訴訟の中で、AT&Tが令状なく米国市民を電子的に監視する国家安全保障局(NSA)の監視プログラムに協力したとして、同社を非難してきた。
AT&Tは、Walker判事の審問後に発表した声明の中で、「重大な国家安全保障上の問題」に関して政府に協力する企業は議会から訴追免除が与えられているため、この件でAT&Tが政府に協力したか否かに関わらず、同社はこの訴訟を免れると主張した。AT&Tは、実際に政府に協力したか否かについては肯定も否定もしなかった。
EFFは政府の監視プログラムについて「過去最大規模の調査活動」であるとし、AT&Tは数百万人の米国民のプライバシーを侵害したと、強く非難した。
EFF側の弁護団の1人としてWalker判事の前で陳述を行ったRobert Fram氏は「政府の監視プログラムは、米国民の最も基本的なプライバシーを全く無視している」と述べ、さらに次のように続けた。「政府が(訴訟に)介入し、監視プログラムを正当化する根拠を一切示さず、単に「国家機密」に関するものだと主張して、同プログラムに対する司法判断を妨げた。われわれが、テロに対する安全と人権保護の両方を確保できるよう、司法による同監視プログラムの監視が必要だ」と語った。
米司法省は5月に、EFFのAT&Tに対する集団代表訴訟を却下するよう裁判所に申し立てた。米政府は、AT&Tは1953年に米最高裁判所が概要を示した国家機密特権で保護されていると主張する。同特権の下では、政府は軍事機密が暴露される恐れのある訴訟を阻止することができる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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