Intelの最高経営責任者(CEO)、Paul Otellini氏は米国時間27日、同社が全面的なリストラに踏み切る予定であることを明らかにした。
Otellini氏は同社の株主総会において、「支出と組織(のありかた)を徹底的に調べている。Intelは、現在そして未来のビジネスの現実に適応するために、組織の構造や規模、目標を見直していく」と語った。
ただし、同氏は人員削減には言及しなかった。
Otellini氏は、先週行われた全社員向けのウェブキャストのなかで、10万人の社員に対して、リストラと評価プロセスがまもなく始まることを知らせたと言う。
この包括的なプロジェクトでは、事業部単位でのコスト削減や社員の生産性向上についてさまざまな方法を検討することになる。同プロジェクトは今後90日をかけて実施されることになると同氏は語った。
Intelは、不採算事業部などの課題を見つけ次第、ただちに変更を実施に移す予定だ。
Otellini氏は、Intelをより機敏に動ける会社に変えるとの決意を述べた。
Intelは、市場全体の成長が減速するなかで、市場シェア減少を克服する取り組みの1つとして、数年ぶりとなる新製品攻勢に出る計画を進めている。
「消費電力とパフォーマンスを重視したCoreマイクロアーキテクチャをベースにした新製品を今年夏に発売し、あらゆるセグメントでIntel製品のラインアップを一新する」(Otellini氏)
その一環として、同社はサーバ用のWoodcrestを6月に、デスクトップ用のConroeを7月に、またノートPC用のMeromを8月にそれぞれ投入していく。
Intelではサーバ市場が同社にとっての最大の弱点と見ており、そのためにWoodcrestを最初に発売すると、Otellini氏は述べた。
同社はまた、チップセットの在庫がボトルネックとなっている問題を解消する取り組みのなかで、「Broadwater」という新しいデスクトップ用チップセットをリリースしていく。
「Broadwaterは、Intelの歴史のなかで最も短時間で立ち上がるチップセットになるだろう」(Otellini氏)
TechKnowledge StrategiesアナリストのMike Feibus氏によると、競合各社と比較した場合、Intelでは売上高や利益に対する経費の割合が多すぎるという。
「Intel製品を購入していれば職を失うことがない、という時代は終わった。同社のハードウェアは相場より高く販売されていた。だが、2年前からは価格が一気に低下している。ところが、同社のコスト構造は遠いと変わっていない」(Feibus氏)
Feibus氏は、さまざまな問題が悪化する前にコスト削減に踏み切るOtellini氏の措置は適切だとしている。「Otellini氏が現状を理解し、真正面から困難に立ち向かおうとしている点は評価しなくてはならない」(Feibus氏)
Feibus氏は、設計やマーケティングなどの各チームが競合各社と比較して肥大化しすぎている点を指摘し、Intelが全面的な人員削減を行うと予想している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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