米航空宇宙局(NASA)は、米国時間4月12日、1981年に初めてスペースシャトルを打ち上げてから25周年を迎えたのを記念して、珍しくも、スペースシャトルの開発にあたった研究センターを公開し、後継機となる宇宙船についても現状の一部を示した。
スペースシャトルの歴史は1981年4月12日に「Columbia」の打ち上げで始まった。Columbiaは2日にわたって軌道上を36回周回した後に帰還した。以来NASAによるシャトル飛行は114回に及び、多量の物資を軌道上に輸送し、衛星の放出や回収にあたり、各種実験を実施し、国際宇宙ステーションの乗務員や物資を運んだ。
Columbiaが宇宙船としての価値を証明した初飛行にいたるまでには、前もって綿密な試験が実施されたが、その大部分はカリフォルニア州サニーベールに程近いNASAのエイムス研究センターで行われた。
12日に実現したこの研究センターの公開によって、スペースシャトルと、その後継機として月およびさらに遠方を目指す乗員輸送用小型宇宙船(Crew Exploration Vehicle:CEV)の開発を垣間見ることができた。
奇妙な形状の建物が巨大な風洞で連結されている。以前は風洞は26あったが、現在残っているのは2つのみだ。そのうちの1つは暗い通路になっており、先端にサメの歯が描かれた魚雷のような形の物体が天井から下がっているだけだ。
この建物は、計画中の宇宙船の模型を使用して風洞実験を実施する場所だ。宇宙船にかかる空気力学的な力や圧力を観察し、宇宙での航行が安全であることを確認する。
初めての打ち上げまでには2万時間以上が風洞実験に費やされ、その後もさらに実験は繰り返された。にもかかわらず、2度、シャトル飛行が悲劇に終わった。1986年1月、「Challenger」は打ち上げ直後に爆発し、2003年2月、Columbiaは帰還中に大気圏で空中分解した。どちらの事故でも乗務員の命が失われた。Columbiaの事故をきっかけに、ほかのスペースシャトル、「Discovery」「Atlantis」「Endeavour」は、2010年までに引退することが決定された。
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