InterActiveCorpが、Ask Jeevesを18億5000万ドルで買収することに同意した。同検索サービスは、長い間GoogleやYahooに押され気味で存在感が薄くなっていた。
メディア起業家のBarry Diller率いる巨大ネット複合企業のInterActiveCorpは米国時間21日、今回の買収によってウェブ検索市場に積極的に進出したい考えを明らかにするとともに、ネット広告市場の成長も買収の大きな誘因になったと指摘した。
Ask Jeevesは、ほかの検索エンジンと異なり、単純なキーワード検索ではなく、「What is March Madness?(March Madnessとは何ですか)」といった分かりやすい英語で質問できる。この点が、買収先として最も魅力的な要素の1つだった、とDillerは語った。
「将来的に(Ask Jeevesには)インターネットをはじめとする各方面で最も優れたブランドになる潜在力があると考えている。ここで言う『各方面』とは、無線端末への対応や、各種デバイスをつかった検索のことだ」と、Dillerは21日午前に行われた電話会議のなかで述べた。
今回の買収は、検索市場全体の動きが非常に激しい時期に発表になった。大手各社は現在、ローカル検索やブログ、検索広告といった今後有望なビジネスモデルや市場のトレンドを中心にした取り組みを積極的に拡大している。最近では特に、個人が自分のウェブページを作成し、情報や意見を交換できるようにするブログが話題を集めている。たとえば、Yahooは先ごろ「Yahoo 360」というブログのベータサービスを立ち上げたばかりだ。
広告関連では、MSNが新技術を投入し、Googleが運営して成功を収めているAdWordsプログラムに対抗することになると見られている。MSNの新しいAdCenterサービスは、シンガポールとフランスで数カ月以内にデビューする予定。これにより、MicrosoftはYahoo子会社のOvertureが提供してきた検索広告への依存度を減らすことになりそうだ。
また、The New York Times Co.も先ごろ、検索に似たサービスを提供しているAbout.comを4億1000万ドルで買収することに同意したが、これも従来検索市場に参入していなかった企業がこの分野にますます大きな関心を示しているもう1つの兆候といえる。
InterActiveCorpにとって、Ask Jeevesの買収は、12月に社を2分する決定を発表して以来もっとも大きな動きとなる。同社は12月に、旅行関連の予約サービスであるExpedia.comやHotels.com、Hotwireなど複数存在しているオンラインサービスを1つにまとめ、Expediaとして独立させると発表した。
1996年創業のAsk Jeevesは、現在米国市場で1月あたり4200万件の質問を処理しているという。
日本への影響は?
現在アスク ジーブス ジャパンの資本金は25億2240万円。出資比率は、米Ask Jeevesが47.17%、トランスコスモスの米国支社であるTranscosmos Investments & Business Developmentが同じく47.17%、その他5.66%となっている。買収が完了した後にこの比率がどうなるのか、また日本市場におけるビジネスへの影響があるのかについて、アスク ジーブス ジャパン マーケティング部 部長の吉田賢氏は、「まだ合意に達したばかりの段階なので、詳細は決まっていない」としている。
吉田氏によると、米国で詳細が決定する時期が2005年第2四半期(4〜6月)中となっていることから、アスク ジーブス ジャパンへの影響などもこの時期に決まるだろうとしている。
アスク ジーブス ジャパンは、2月15日に検索サイトAsk.jpの正式サービスを開始したばかり。米Ask Jeevesが2月上旬に買収したBloglinesのブログサービスを日本でも開始する意向を示すなど、サービス拡大が見込まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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