新しく発表された調査結果によると、旅客機内で禁止されている携帯電話を使用した結果、飛行機事故が発生する可能性があるという。
米国では、旅客機内における携帯電話の使用が禁止されている。しかし、調査を実施したカーネギーメロン大学の研究チームによると、乗客にとって携帯電話の使用を我慢するのは難しいらしく、飛行において難しさを伴う着陸時などにも、携帯電話が使用される場合があることが分かったという。
米国時間2月27日に発表された同調査の一環として、研究チームは、携帯電話の通話信号を感知するため、ブロードバンドのアンテナとスペクトラム分析器を手荷物として機内に持ち込み、調査した。調査対象となったのは、米国北東部を飛ぶ路線からランダムに選ばれた旅客機である。その結果、米国では1回の商用フライトあたり、平均で1〜4回の通話が携帯電話を使って行われていることが判明した。
メリーランド州パタクセントリバーにあるNaval Air Warfare Centerに務め、航空機電磁互換性の権威であり、今回の調査にも加わったBill Straussは、「現在、安全な着陸のためにGPSがますます不可欠なものになってきている。携帯電話の使用は、コックピットにある重要な機器、特に、GPSの正常な動作を妨害する可能性がある」と声明の中で述べた。
Straussによると、携帯電話から発生する無線信号は、以前に考えられていたよりも強力であり、リスクを生じるという。
この実験は、携帯電話から発生する信号を追跡することを主な目的としたが、旅客機内で使用されるノートPCやゲーム機などの装置も危険な信号を同様に発生していることが分かった。
米連邦通信委員会(FCC)は2005年6月、1991年に制定された携帯電話使用を禁止する法令を撤廃し、飛行中に乗客が携帯電話などの電子機器を使用することについて、許可を与えることを提案した。今回の調査結果は、この提案により起こった議論の新たな火種になる可能性がある。
この法令は本来、航空機内からの通話によって、地上の携帯電話通話や航空機の無線通信が妨害されることを避けるために実施されていた。FCCは、このような危険性は技術の進歩により、今では昔の話になったと主張していた。
カーネギーメロン大学の研究者らは、法令撤廃は望ましいことではないと語る。代わりに、飛行において難しさを伴う部分で、乗客による電子装置の使用を搭乗員が検知できる特別なツールを開発することを推薦している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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