Google(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー)があるラジオ広告会社を買収し、広告ビジネスの業務拡大を進めようとしている。
同社は米国時間17日、広告主に対してラジオ広告の販売、スケジューリング、配信、およびレポートを行うDMarc Broadcasting(本社:カリフォルニア州ニューポートビーチ)を1億200万ドルの現金で買収すると語った。
Googleはこの買収で、製品統合や売上、広告在庫に関する目標達成度に応じて、DMarcに追加の現金を支払うことになっている。Googleによると、支払額は今後3年間で合計11億3000万ドルになる可能性があるという。
Googleは、DMarcの技術をAdWordsプラットフォームに統合することで、Googleの広告主向けに新しいラジオ広告販売チャネルをつくる計画だ。
Googleの広告販売担当バイスプレジデント、Tim Armstrongは声明のなかで、「Googleは、予測の可能な検索広告をほかのメディアにも拡大すべく、新たな方法を模索している」と述べている。
Googleは、広告ビジネスをインターネット以外にも拡大し、紙媒体の広告や、場合によってはテレビコマーシャルにも進出する可能性がある。
Googleの株価は17日、1ドル23セント高の1株467ドル48セントを付けており、またアナリストらは同社の新たな買収に満足感を示している。
JPMorgan Chaseのアナリスト、Imran Khanは調査レポートのなかで「今回の買収は、Googleがインターネットメディア以外へのAdWordsプラットフォーム拡大を真剣に考えていることを示す新たな証拠と考えられる。広告モデルを従来のメディアにも拡大するというGoogleの取り組みは、長期的に成果を挙げるだろう」と述べている。
JPMorganのアナリスト、Spencer Wangによると、ネット広告は他媒体の広告よりも成長が著しいが、米国のラジオや紙媒体の広告も、2010年にはそれぞれ250億ドルおよび780億ドルに達する見通しだという。
BearStearnsのアナリスト、Robert Peckは、Googleが地方テレビ局や業界紙の広告にも投資すると予想している。そうなれば、Googleはあらゆるタイプの広告販売を一手に引き受けられるようになり、クリック数に応じて課金するネット広告への依存から脱却し、さらにビジネスモデルを多様化できることになる。
「また、Googleはネット広告以外にも手を広げることで、これまで同社との取引に消極的だったCPG(消費者パッケージ商品メーカー)などの大企業をはじめとする、幅広い広告主にアピールできることになる」(Peck)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」