米Microsoftは、ここ数日間に2人の重要な幹部を失った。1人はMSN関連のいくつかの取り組みを率いていた人物で、もう1人はOffice製品の開発責任者だった。
Microsoft Office開発担当ディレクターDon Gagneは、自動車レースという趣味を追求するため12月にMicrosoftを退社する予定だ。同社の広報担当のLou Gellosは25日、勤続11年のベテラン社員であるGagneが先週、退職届を提出したことを明らかにし、あるブログに掲載されたGagneの辞職に関するレポートが事実であることを認めた。
Gagneが退職届を提出したのは、Microsoftが大規模な組織改変を発表したわずか1カ月後のことだが、Gellosは同氏の退職について、あくまで円満退社であると主張した。またGellosは、Gagneの後任はまだ決まっていないものの、幹部の配置転換は速やかに行なわれるだろう、と付け加えた。
Microsoftの構造改革をテーマとしたMini-Microsoftブログによると、Gagneはまじめな幹部と評判で、社内でも評価が高いという。
「これはMicrosoftにとって極めて大きな損失であり、またOfficeにとっても重大な損失だ(GagneはOffice製品全般の開発を担当している)」と、ある匿名ライターが同ブログに掲載された電子メールの中で述べている。
Microsoftを退社するもう一人の幹部は、MSNポータルのゼネラルマネジャーHadi Partoviだ。Gellosによると、同氏は、退社後に自分の会社を立ち上げる予定だが、後任が見つかるまでの数週間は会社に残るという。
Partoviが退社の意志を表明するおよそ1カ月前に、Microsoftは全社的な組織改編に着手し、その一環としてMSN部門を同社のWindows部門に併合した。
かつて複数の新興企業が32歳のPartoviをMicrosoftから引き抜いている。同氏は、MicrosoftとNetscape Communicationsとのブラウザ戦争において中心的役割を果たした後、1999年に同社を退社し、電気通信企業Tellmeの立ち上げに関わった。しかし、2002年にMicrosoftに再入社し、MSN関連のいくつかの計画で指導的役割を果たした。Apple Computerのオンライン音楽ストアiTunesに対抗して同社が立ち上げたMSN MusicもPartoviが携わった計画の1つだ。また同氏は、MicrosoftのニュースリーダーサービスStart.comにも携わった。
Microsoftはこの2人以外にも、ここ数週間に複数の重要な幹部が退社したことを認めた。Wikiと呼ばれるウェブページを発明したWard Cunninghamは先頃、Microsoftを退社し、オープンソースソフト開発を手掛ける非営利組織に参加した。また、Windows OSの技術統括責任者であるJim Allchinは、Microsoftが大規模な組織改編の詳細を発表すると同時に辞職を発表した。
Gellosによると、確かにGagneとPartoviはMicrosoftにとって重要な貢献者であるが、彼らの退社は、よくある人事の出入りの1つに過ぎないという。「6万人もの従業員を抱えていれば、常に人の出入りはあるものだ」(Gellos)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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