マイクロソフトの組織改編:ソフトウェアサービス重視でグーグルに対抗へ - (page 2)

Martin LaMonica(CNET News.com)2005年09月21日 12時20分

 Gatesは、Microsoftは長期的視野に立って、「Hotmail」といったMSNのウェブサービスにさらなる機能を追加したり、「Exchange」電子メールプログラムなどのサーバベース製品にホスティング型のオプションを導入したりしていくと話している。またGatesによれば、サーバとサービスの境界を曖昧にすることで、Microsoftは企業および消費者により充実したホスティング形式のオプションを提供できるようになるという。

 「Microsoftがこれらを統合的に提供することでリッチな機能が実現され、またそうした機能をサーバとして利用するか、あるいはサービスとして利用するかという選択も可能になる。サーバとサービスを一体化して対称性を高めるという取り組みは、Microsoftの長期的な基本戦略の一部となっている」(Gates)

 Microsoftは、MSNのサービスとサーバ製品、ツール群のコラボレーションを促進して、ウェブ開発分野における取り組みをすでに始めている。先週には、開発者が「MSN Search」「MSN Messenger」などのMSN製品と連動するアプリケーションを開発できるようデザインされた、プログラミングインターフェースがリリースされた。

 企業向け市場においてMicrosoftはソフトウェアサービスに歩み寄っているが、これはIBM、Sun Microsystems、Oracleといった同分野に大規模な投資を行っている企業や、Salesforce.comなどの新興企業の動きに触発されたものと言える。

 Directions on MicrosoftのアナリストRob Helmによれば、詳細はまだ完全には明らかになっていないが、Microsoftは同市場に独自のアイデアを投入する意向だという。Helmは電子メールセキュリティサービス「FrontBridge」やウェブカンファレンスアプリケーション「Live Meeting」などに触れ、Microsoftが同社のソフトウェア製品とホスティングサービスの連携を図っていく可能性を指摘している。

 「Microsoftはソフトウェアの提供をやめようとしているわけではなく、その管理や保守といったユーザーの負担を軽くしようと考えている。Salesforceが提唱している『ソフトウェアの不所持』を進める兆候は、見受けられない」(Helm)

 一方Gillettも、サービスとソフトウェア製品の統合を模索するテクノロジー企業が増えていくと見込んでいる。例えばMicrosoftでは、顧客が運用するWindowsサーバソフトウェアに監視コードを組み込んで、アラートをMicrosoftが受信した場合、同社がリモートで問題を修復できるようにする可能性があるという。

 「ユーザーにパッケージ製品を売りつけて、『複雑な製品だけれどもなんとか使いこなしてください』とエールを送るだけなどという商売は、もはや成立しない。製品のユーザーエクスペリエンスを向上させる方法を、考え出さなければならないのだ。製品の4年サイクルに縛られているようでは、顧客によりよいエクスペリエンスを提供できているとは言えない」(Gillett)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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