楽天は9月16日、読売新聞の「楽天は既存の銀行と共同出資して、2006年度にも店舗を持たないネット専業銀行を設立して銀行業務に参入する」との記事に対して、「銀行業については以前からあらゆる可能性を排除しないで参入などを検討しているが、本当に参入するかどうかも含めていまの時点で何も決まっていない」とした。
ネット銀行は、ジャパンネット銀行やイーバンク銀行、ソニー銀行などが先行しているが、大手のインターネット関連企業では、ヤフーがあおぞら信託を傘下に収めて、2006年前半にネット銀行業務を開始する準備を進めている(関連記事)。また、ライブドアも以前から将来の参入を表明し続けている。
こうした中で、楽天は金融関連について、まず2003年12月にインターネット専門の証券会社であるDLJディレクト SFG証券(現在は楽天証券)を買収し、2004年8月からは三井住友カードとの提携で「楽天カード」を発行した。また、2004年9月にあおぞら銀行とオリックス・クレジット、オリックスの合弁会社であるあおぞらカード(現在は楽天クレジット)を買収(関連記事)して、カードローン事業に進出した。
さらに、2005年6月にはクレジットカード「KCカード」を発行する国内信販(現在は楽天KC)を買収した(関連記事)。2005年3月に国内信販の買収を発表したときに、楽天の代表取締役会長兼社長である三木谷浩史氏は、「金融事業を進めるにあたって、本格的な銀行業務へは参入しないという方針は変わっていない」と明確に銀行業進出を否定していた。
しかし、この一方で楽天証券の代表取締役社長と、楽天クレジットの代表取締役社長を務め、楽天グループの金融事業を取り仕切る楽天の取締役 常務執行役員 金融事業カンパニー社長である國重惇史氏は、以前から銀行業への参入の可能性を示唆してきた。「仮に、まったくの仮定の話として、銀行業にいま参入したとしたらこうしていきたい」ということも、慎重姿勢ながらこれまでたびたび話すことがあった。
なお、三木谷氏は元日本興業銀行の出身で、國重氏は元住友銀行(現在は三井住友銀行)の出身だ。
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