米Lexar Mediaは3月23日(米国時間)、NAND型フラッシュメモリ技術に関する機密情報を盗んだとして東芝およびToshiba America Electronic Components(TAEC:東芝アメリカ電子部品社)を訴えていた件で、カリフォルニア州サンタクララ高等裁判所の陪審団が東芝側に3億8000万ドルの損害賠償金を命じる評決を下したと発表した。
この裁判は、LexarがNAND型フラッシュメモリのコントロール技術および製造方法に関して東芝らに機密情報を盗まれたとして訴えていたもの。両社はかつてパートナー関係にあり、東芝は1997年にLexarに出資している(ただし現在は資本関係を解消している)。Lexarによれば、東芝はLexarと技術的な話し合いをする中で知り得た情報を第三者にもらすなどして同社に損害を与えたという。
Lexarはデジタルカメラ向けなどのフラッシュメモリカードを製造・販売している企業。フラッシュメモリのコントローラなどに関して多くの特許を持ち、SanDiskやSamsung Electronics、オリンパス、ソニーなどに技術をライセンス供与している。
また、Lexarによれば、陪審団は東芝らの行為が悪質なものであるとして、懲罰的損害賠償金を認める方向だという。懲罰的損害賠償金とは、加害行為が悪質と認められた場合に追加して認められる損害賠償金のことだ。
LexarのエグゼクティブバイスプレジデントであるEric Whitaker氏は「今回の評決はフラッシュメモリ産業におけるLexarの中核的な知的財産権や貢献を認めるものだ」と歓迎のコメントを発表している。
この件に関し、東芝は「陪審団の審理はまだ一部継続しており、現時点ではコメントできない」としている。
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