Playboy誌に掲載されたGoogle共同創業者のインタビュー記事が、同社の予定している株式公開(IPO)にまた新たな影を落とすかもしれない。
Playboyのウェブサイトによると、GoogleのLarry PageとSergey Brinは、同社が4月末にIPOを申請したその1週間前に、Playboy誌に対してインタビューの許可を与えたという。2人はスタンフォード大学でコンピュータサイエンスを学び、8年前にGoogleを設立した。彼らのインタビューはPlayboyの9月号に掲載されているが、同号は購読者にはすでに発送済みで、また書店店頭にも米国時間13日には並ぶことになっている。
このインタビューがPlayboyの販売部数に貢献するのは確実だが、IPO専門のアナリストは、法律で義務づけられている「静粛期間」に違反したとして、米証券取引委員会(SEC)がGoogleの行為を問題視する可能性もあると述べている。Googleの経営陣がIPO申請後の数カ月間、必死に沈黙を守ったとしても、正式申請前にしてインタビューを受ければ株式の公開が一時的に延期される可能性がある、と彼らはいう。
「SECが静粛期間を設けているのは、情報を使った株価操作をできないようにするためだ。したがって、事実以外は何も流布されてはならない」と、証券調査会社IPO Financial Network社長のDavid Menlowはいう。「Googleが申請前にインタビューを受けていれば、同社の弁護士はそれがどんなものでも真っ青になるはずだ」(Menlow)
インタビューのリリースに関するこの話は、Googleがオークションスタイルで実施する予定のIPOを数日後に控えたタイミングで飛び出してきた。正式な日程はまだ決まっていないが、同社は12日に投資家の登録を終了し、それ以降は購入希望者へのIDを発行しない。また、公募については「その後間もなく」始まるとしている。
大きな期待のかかる同社のIPOも、ここ数週間は精彩を欠いてきている。これには、株式の買い戻し提案、機関投資家からの引き合いが低迷する可能性、入札プロセスに関する技術的な遅れ、最大のライバルであるYahooとの和解などのニュースが影響を与えている。この和解に関して、同社は第3四半期に2億6000〜2億9000万ドルの費用を計上することになる。
「とにかく次々に問題が出てくるし、その大半が一般投資家の不信につながっていく」(Menlow)
だが、Playboy掲載のGoogleの記事は、内容に問題がなければ、SECの警告を受けないかもしれない。Playboyのウェブサイトでは、この記事を「米国の新人億万長者たちとの、風変わりな会社やウェブの手なずけ方、“Don't be evil(邪悪になるな)”というモットーを掲げる理由などについての率直な対談」と宣伝している。またウェブには詳細はなく、興味のあれば本誌を購入して欲しいと書かれている。
Venableの弁護士で証券法を専門とするMatt Swartzによれば、Googleが(誌面のなかで)自社のIPOを実質的に売り込んでいない限り、同社が論争に巻き込まれることはないという。
「こうした場合、将来の見通しやIPOについて多く語っているほど、問題のほうも大きくなる」(Swartz)
これまでに、WebvanやSalesforce.comといった企業が、静粛期間にも関わらず不適切な言動をとったとして、SECから罰っせられた前例がある。たとえばWebvanでは、最高経営責任者(CEO)が売り込み目的の電話会議を開いたとして、SECからIPOの延期を余儀なくされた。
Salesforceは、New York Times紙に同社を大きく取り上げた記事が出たことから、その後「冷却期間」を設けなければならなかった。同社はまた、SECによるセールス手数料の計上方法の見直しの要請を受け、一度IPOを延期したこともあった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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