チップメーカーBroadcomは米国時間16日、Zyray Wirelessの買収契約を締結したことを明らかにした。Zyrayは、現世代の携帯電話を使って次世代のモバイル通信規格を利用できるようにするための技術を保有している。
Broadcomによれば、同社は普通株223万株(16日の終値で計算すると9600万ドルに相当)を発行し、Zyrayのすべての発行済み株式を獲得するという。これまでZyrayに300万ドルを投資してきたBroadcomは、9月30日までに買収を完了させる見込みだ。
ZyrayはSpinnerchipというコプロセッサを生産している。このプロセッサは、現世代の電話機やデータ端末を使って第3世代(3G)モバイル通信サービスを実現することを可能にする。
W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)規格に基づく同チップは、GSMやGPR、EDGEのようなさまざまな電気通信規格をサポートするBroadcomのシングルチッププロセッサの品揃えを補完することになる。Broadcomによると、現在、多くのハンドセットメーカーが新機種にSpinnerchipを組み込んでいるという。
W-CDMAは、最高384kbpsの高速モバイル接続を提供する技術で、テレビ電話やメッセージング、上質な画像が豊富なスポーツクリップとニュースクリップ、双方向ゲーム、位置情報サービス、改善されたウェブブラウジングのような先進的アプリケーションの利用を可能にする。Deutsche Bank Securitiesが発表した最新レポートによれば、世界的なW-CDMA電話機の販売台数は2008年までに2億台に達し、携帯電話機全販売台数の4分の1以上を占めるようになるという。
Zyrayはまた、最高10Mbpsのダウンロード速度を実現するHSDPA(high-speed downlink packet speed)やMIMO(multiple input multiple output)の技術にも取り組んでいると両社は述べた。
Zyrayの一連の製品や技術が加わることで、Broadcomは包括的なW-CDMAやHSDPAソリューションを提供することが可能になったほか、MIMOトランシーバ技術を幅広い範囲のモバイルやワイヤレス技術と組み合わせる機会を得たと、Broadcomはコメントした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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