SCO GroupがIBMおよびNovellを相手取ったUnix訴訟の勝敗は、IBM裁判の延期を求めた請求が連邦判事に認められるなど、2勝2敗となった。
IBMがSCOの所有するプロプライエタリなソフトウェアをLinuxに移植し、SCOとのUnix契約に違反したとして、SCOはIBMを訴えている。この訴訟の審理は、これまで2005年4月に開始される予定だった。だが、米国時間10日付けの裁判所の文書によると、ユタ州の連邦地裁判事Dale Kimballは5週間におよぶ予定の裁判を2005年11月1日まで延期したという。
LinuxにSCOが知的所有権を保有するUnixのコードが含まれているという同社の主張は、このオープンソースのオペレーティングシステム(OS)を導入することに熱心だったIT業界を震撼させた。しかし裁判は、ペースの速いハイテク業界では大昔とも思える1年半近く前に開始されており、SCOの敵対者は同社が何を侵害だと主張するのかを見たくて気をもんできた。
一方のIBMは、SCOが自社の特許を3件侵害したとして反訴している。SCOはこれを別途審理するよう求めたが、Kimballはこの請求を却下した。
これとは別に、Novellに対する訴訟に関して米国時間9日に下された裁定で、Kimballは州裁判所への移管を求めたSCOの請求を却下している。以前Unixを所有していたNovellは、OSの著作権をSCOに移転していないと主張しており、SCOは確認を求めて提訴に踏み切った。
Kimballは、売却契約の独自解釈に基づいて裁判破棄を求めたNovellの申し立ても同時に却下した。しかし同判事は、SCOが「権利誹毀」の起訴資格を満たすためには、Novellの行為から生じた損害額を具体的に記して、7月9日までに申し立てを修正する必要がある、としている。
これら最新の動きは、この裁判を熱心に見守っている人々には歓迎すべきものかもしれない。インタビューや記者会見の場で出てくるSCOの主張はLinux支持者を刺激しており、彼らはLinuxとUnixの歴史やソースコードを調査するなどの対抗手段で応酬している。
SCOはIBM裁判の延期を主張しているが、残された時間はあまりない。SCOは前四半期に1500万ドルの純損失を計上しており、そのうち440万ドルは訴訟や、訴訟回避のためにSCOライセンスを購入するようLinuxユーザーに求めたことにより発生した費用だ。なお、Linuxユーザーに対するライセンス購入の働きかけはほとんど成功していない。
SCO最高経営責任者(CEO)のDarl McBrideは10日、同社には6130万ドル相当の現金と流動性有価証券があり、裁判を最後まで戦うには十分な額だと述べていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス