Amazon.comとBordersが、インターネットで注文する書籍に対して人為的に高い価格を設定したと主張する集団訴訟で、サンフランシスコの連邦地裁判事がこの主張の一部を却下した。
しかし、同地裁のMarilyn Hall Patel判事は先週下した判決のなかで、両社が2001年4月に交わした契約には反競争的影響が懸念されることから、この訴訟の審理は継続できると述べた。問題とされた契約は、AmazonがBorders.comウェブサイトを運営し、同サイトからの顧客の注文にも応じるとの内容になっている。
Patelは、この契約のある部分が「問題」だと指摘。この部分には、AmazonがToys "R" Usのオンライン部門と交わした契約と同じような内容が記されているが、Patelによると、BordersがAmazonと競合することを禁じるという制約によって、「Bordersは別のオンライン販売業者に対して余剰在庫の書籍さえ提供できず、たとえ書籍の出所の明示がなくとも、この条件は変わらない」という。
両社を提訴しているカリフォルニア州サンフランシスコの法律事務所、Schubert & Reedによると、この契約は連邦政府および州政府の独占禁止法や、カリフォルニア州の不正競争防止法で禁じられている市場の不法分配の一例だという。
集団代表訴訟と株主訴訟を専門にするSchubert & Reedによると、同社の手がけてきた訴訟のクライアントには、3M、Broadcom、Cisco Systems、Cylink、DoubleClick、Macromedia、Network Solutions、PeopleSoft、Sony Computer、そしてAlexaユーザーのプライバシーに関する先の訴訟でのAmazonなどが含まれているという。同事務所の弁護団は、買い物客がAmazonやBordersで書籍を購入したときの過払い分の返還を求めている。
Patelは、契約の適法性に関して「現時点ではこの問題に関する判断を下すのに十分な証拠がない」とし、今回の件の審理開始を許可した。だが同判事は、Schubert & Reedの弁護団によるほかの請求については却下している。
同弁護団は、AmazonとBordersが不法な価格操作を行っていたと主張しているが、Patelはこれを、両ウェブサイトとも価格を一切操作することなく同じ書籍を扱うサードパーティー販売会社をリストアップしているため、「明らかにバカげている」としている。
Patelはまた、Schubert & Reedの弁護団が自らの忍耐力を試していると、強い口調で指摘した。Patelは、「Borders.comの売上成長率を踏まえて、同社が侮れない存在だとする原告の主張は、裁判所の理解力を侮辱するものだ」と記している。
「まず、Borders.comの売上の伸びは、1999年の289%から2000年には53.1%と劇的に低下している。しかもこの時期にBorders.comの損失は膨らんでいるのだ」(同判事)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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