富士通は近いうちのカラー電子ペーパーの製品化を目指している。まだ今すぐ実際に市場に提供することはできないが、それに向けて着実に進んでいるといえる。
RFIDタグはプライバシー保護の観点から問題視する声もあるが、病院や接客サービス業界では、それでより効率的に洗濯できるようになることに不満などないだろう。富士通は、より伸縮性に富んだ防水性のRFID(無線IC)タグを開発している。位置や状態を管理するための制服、病院の白衣、シーツ類にアイロン掛けも可能である。
また富士通製のタグは、強誘電体RAM(FRAM)を利用しているため、物体に関する情報を、パスポートなどに内蔵されたRFIDチップよりも多く記憶することができる。FRAMはDRAMとは異なり、RFIDチップと同一のチップ上に集積することができるため、占有面積を縮小するとともにコストも削減することができる。
同タグは、バーコードのように1つ1つスキャンする必要がないため、洗濯物の大きな山を1度に読み取り登録することができる。処理をより低コストでより高速にしようというのがその目的である。現時点ではタグは1つあたり2〜3ドルだが、Beirne氏によると、富士通は2010年までに1つあたり1ドル未満にまで引き下げたいと考えているという。
また富士通は、数値情報を画像内に埋め込む技術についても引き続き開発中である。ステガノグラフィと呼ばれる同技術は、ショッピングを支援するものであるため洗濯よりもずっと楽しいものである。同技術により、検索方法がわからない情報にアクセスすることもできるようになる。
例えば、アウトドアのライフスタイル雑誌の中でカービングスキー板の広告を見つけた場合、携帯電話に富士通のソフトウェアがインストールされていれば、単にそのスキー板の写真をとることにより、そのスキーメーカーのウェブサイト、ビデオ、または詳細情報を示す広告が携帯電話に表示される。これにより視覚的には画像は変更されない。人間の目には画像に含まれるその情報を認識することができないのである。同技術は米国ではまだ提供されていないが、富士通のBeirne氏によると、同社は日本最大の携帯事業者であるNTTドコモと提携しており、日本では特に観光用地図に含まれる観光情報としてすでに約1年前から同技術が利用されているという。
また、富士通は、人間の静脈パターンで個人情報を保護する方法も発表した。手の静脈パターンは人により異なるという特性を利用して、安全な情報にアクセスする方法が開発された。
手をかざすためのハードウェアセンサと富士通製ソフトウェアを使用するPalmSecureツールは、手の静脈パターンを読むだけではなく、静脈中の還元ヘモグロビンを見る。この方法により、静脈中の血液が暖かいか、手をかざした人が生きているかなどが基本的に判別されるため、政府資料やカルテのようにセキュアな情報にアクセスしようとする場合にも、システムをだますことが難しくなる。
同技術は世界中で販売されているが、米国ではある病院1件のみに導入されている、と富士通は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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