広がる地方自治体によるWi-Fiサービス--米上院商務委員会、規制緩和法案を可決

文:Declan McCullagh(CNET News.com) 翻訳校正:河部恭紀(編集部)2006年06月30日 14時28分

 ワシントン発--フィラデルフィア市が住民に無線アクセスを販売しようと決定した2004年当時、州議員らが同市は民間企業と不正に競争しようとしていると非難したため、この計画はもう少しで頓挫するところだった。

 それ以降、地方自治体によるブロードバンドというコンセプトが急成長し、すでに多数のプロジェクトが始動しているだけでなく、今後ますます増えそうな勢いである。しかしこれに対しフロリダ、テキサス、バージニア、そしてペンシルベニアなどの各州は、これらのプロジェクトを制限する法律を制定した。このような政策は通常VerizonやComcastといった企業に後押しされている。

 このような法律が制定される傾向に対して、米上院は関心を向けている。米上院は今週、各州政府がペンシルバニア州の方針に従わなくするための法案を採決した。上院商務委員会が米国時間6月28日に15対7の投票で承認したこの電気通信法案は、各州内の地方自治体がブロードバンドサービスを提供することを、いずれの州も禁じてはならないというものである。

 もっとも同法案は、自前のブロードバンドサービスを販売することを選んだ地方自治体は、30日間の猶予を設けて民間から入札を募ることを規定している。ただし、いずれかの入札を受け入れることは、地方自治体には義務付けられていない。

 同委員会を率いるTed Stevens上院議員(アラスカ州選出、共和党)は、法案の最終的な表現(PDFファイル)について、複数の競合する法案を適度に「妥協」させたものである述べた。他法案のなかには、地方政府に対しもっと重い制限を課すものもあった。「われわれは大きな進歩を遂げ、半数以上の議員が持つ要求を満たしたといっても差し支えないと思う」とStevens議員は述べた。

 Communications, Consumers' Choice and Broadband Deployment Act(消費者の選択とブロードバンドの展開に関する法)と称するこの電気通信包括法案は、上院本会議での投票に持ち込まれようとしている。しかし同法案には、民主党議員の多くが支持する広範なネット中立性規制が欠如しているため、その将来は流動的である。最終投票は数カ月先に延期されるか、2007年に入る可能性さえある。

 下院が6月8日に独自の電気通信法案について投票していることも、問題を複雑化させる要素である。この法案は上院とは大幅に異なるアプローチをとっている。

 下院法案では、ブロードバンド提供業者を保有、または、それに出資している地方自治体は、「そのような提供業者に対し何らの優先権または便宜を与えてはならない」と規定しているだけである。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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