孫氏は、「SFの映画監督になりたいわけでも、小説家になりたいわけでも、評論家になりたいわけでもない。私は事業家。事を成したい。世界の人々からもっとも愛され、必要とされる、人々を幸せにする会社になりたい」と言葉に力を込める。
30年後には時価総額ランキングで世界トップ10に入り、時価総額200兆円規模を目指すと言う。「私はやるつもり。今までやると言ったことは、たいがいやってきている」とした。
これらをどうやって実現するのか。ソフトバンクの事業領域は情報産業だとし、創業のときから変わらず、情報革命をしていくという。一方で、30年保つものはあっても、300年間変わらないものは難しいとし、特定の1つのものにこだわりすぎると成長しないと分析する。
過去のデータによれば、30年間生き残っている会社は0.02%で、99.98%が30年間存続できなかったという。「ソフトバンクが過去に5回の転機を超えて生き残っただけですでに奇跡なのかもしれない」と過去の危機を振り返った。
「ソフトバンクの一番のお家芸は“こだわらない”ということ。ただ1つこだわるのは情報革命。そして人々を幸せにする、そのことだけ」と語り、特定の技術や特定のビジネスにこだわらず、世界の優れた企業とパートナーシップ戦略で成長していきたいとした。
孫氏が300年後にも生き残り、繁栄し続ける組織をつくるために発明したのは、「300年間成長し続けるかもしれない組織構造」だという。
「競争力」は、安さ、技術がキーになっていた20世紀型に対し、21世紀型は多様さと安心という。「戦略」は大量生産に対し、多品種少量、「ブランド」はシングルブランドに対しマルチブランド。「組織」はピラミッド型に対しウェブ型、「意識決定」も中央集権に対し、集権・分権・バランスになるという。さらにはマネジメントも管理・支配型であったのに対し、自立協調型にし、出資比率も51%以上だったものに対し、20%〜40%を中心にするとした。
「支配しなくてもいいじゃないか。支配しようとするから中央集権になる。中央集権だから、大企業病になる。100%子会社なら自分の会社。そうでなかったら自分の会社ではないという意識を持たない。20%から40%ぐらいの資本提携をした、同士的結合の集団を作りたい。戦略的シナジーグループがどんどん分散・分権型で自立し、協調し、自己進化して自己増殖する。それがパートナー戦略」と語った。
現在、ソフトバンクグループに名を連ねるのは800社。今後は自立・分散協調型のシナジーグループとして、30年以内に5000社を目指すという。
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