Piper JaffrayのシニアリサーチアナリストであるGene Munster氏は、Appleが現在AT&Tと結んでいる米国内で独占的に「iPhone」を提供する契約は、2009年内にも終了する可能性があるとの予測を明らかにした。
もしMunster氏の予測が正しいのであれば、米国内では他の通信キャリアにもiPhoneを提供する道が開かれ、Appleにとっては、さらなる限界を超えてiPhoneの売り上げが伸びていき、大きな利益がもたらされる可能性が高まる。しかしながら、同時にAT&Tにとっては、もし予測通りになれば、業績の向上をiPhoneの売り上げに多大に依存しているため、非常に大きな打撃をもたらすニュースとなるだろう。
AppleInsiderによれば、このほどMunster氏は、すでに他の国々でAppleが(iPhoneの)独占販売契約を打ち切ってきたことに着目した調査結果を公表したという。具体的には、フランスにおいてAppleは、Orangeと結んでいた(iPhoneの)独占販売に関する契約を終了し、複数の通信キャリアがiPhoneの提供へと踏み出せるようにしてきた。Munster氏は、この変更によって、iPhoneのフランス国内における市場シェアが約40%にまで押し上げられることになっていると語った。iPhoneがAT&Tを通して独占的に提供されている米国内では、現在のiPhoneの大きなシェアは10代の若者に支えられる形になっている。
Appleが複数の通信キャリアを通じてiPhoneの販売を進める国々は、他にも複数存在している。実は中国においても、このほどChina UnicomからiPhoneが提供される契約が結ばれたものの、この契約は独占的なものではない。Appleは、どのキャリアと交渉を進めているのかを明らかにしようとしていないものの、Piper Jaffrayを始めとする複数の調査会社が、中国市場におけるAppleのiPhone販売台数は、2010年中に300万台を超えるとの見通しを示している。
AppleがAT&Tと結んでいる契約の詳細は、これまで一切公開されていない。とはいえ、多くの人々は、AppleがAT&Tと結んだ独占的な契約は、iPhoneが初めて発売された2007年から長くても5年で終了するだろうと推測してきた。つまり、これはAT&Tが2012年頃までは独占的にiPhoneを販売する権利を有するという意味である。
だが、最近の複数報道で明らかになった情報では、AT&Tが、最低でも2011年までは独占的にiPhoneを提供し続けることができるように、Appleとの交渉に臨んでいるところであるという。
さらに、依然として、Verizon Wirelessが同社ネットワーク上でiPhoneを提供できるようにAppleとの交渉に入っているとのうわさも根強く飛び交っている。すでにVerizon Wirelessの幹部らは、何らかのApple製のデバイスが、2010年の商用提供開始を予定している同社の新たな4Gの無線ネットワーク上で動作することをほのめかしてきた。しかしながら、iPhone 3GがVerizon Wirelessのネットワーク上で動作するのかどうかに関しては、これまで不明瞭な点も多かった。
Verizon Wirelessは現在、米国内で最大の通信キャリアである。また、これまで同社のネットワークは、その信頼性の高いパフォーマンスゆえに好評価を獲得し続けてきた。とはいえ、AT&Tや世界の他の多くの通信キャリアが用いてきたGSMとは異なり、Verizon Wirelessの現在の3G無線ネットワークはCDMA技術がベースとなっており、iPhone 3Gを同社ネットワーク上で動作させるには、端末に異なる電波対応の追加が求められるとも考えられてきた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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